第二種衛生管理者の過去問
令和4年10月公表
労働生理 問1
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問題
第二種 衛生管理者試験 令和4年10月公表 労働生理 問1 (訂正依頼・報告はこちら)
呼吸に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 呼吸は、胸膜が運動することで胸腔(くう)内の圧力を変化させ、肺を受動的に伸縮させることにより行われる。
- 肺胞内の空気と肺胞を取り巻く毛細血管中の血液との間で行われるガス交換は、内呼吸である。
- 成人の呼吸数は、通常、1分間に16~20回であるが、食事、入浴、発熱などによって増加する。
- チェーンストークス呼吸とは、肺機能の低下により呼吸数が増加した状態をいい、喫煙が原因となることが多い。
- 身体活動時には、血液中の窒素分圧の上昇により呼吸中枢が刺激され、1 回換気量及び呼吸数が増加する。
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この過去問の解説 (3件)
01
呼吸についての問題出題は、頻度の多い問題ですが、呼吸のメカニズムや言葉、呼吸数などの数値を覚えておけば、多くの知識が必要なわけではないため、対応が可能でしょう。
× 呼吸は、横隔膜と呼吸筋が収縮と収縮を緩めることで、胸腔内の圧力が変わることにより、肺が自らを収縮させることによって行われます。
【吸気】
横隔膜が下がって、胸腔内の圧力が低くなることで、鼻や気管の気道から肺の内部に流れ込む空気のことです。
【呼気】
横隔膜が上がって、胸腔内の圧力が高くなることで、鼻や気管の気道を通して肺の外に排気する空気のことです。
× 肺胞内の空気と肺胞を取り巻く毛細血管中の血液との間で行われるガス交換は、内呼吸ではなく外呼吸です。
【外呼吸】
肺胞に取り込まれた酸素を、毛細血管の中に取り入れて、二酸化炭素を排出する拡散を行うことです。拡散とは、圧力の高い方から低い方へ酸素又は二酸化炭素を移動させる現象のことです。
【内呼吸】
ヘモグロビンと繋がった酸素を、細胞へ送り込んで代わりに二酸化炭素を回収する拡散のことです。
【肺循環】
換気や拡散によって、体全体に酸素を送った血液が、肺で再び酸素を受け取る必要があり、右心室を中心として行われる循環です。
〇 成人の呼吸数は、1分間に16~20回です。ただし、食事・発熱などが起ると増加します。
× チェーンストーク呼吸とは、小さな呼吸から1回換気量がだんだん増え大きな呼吸となった後に、1回換気量がだんだんと減少して呼吸停止が10秒から20秒ほどの無呼吸が起こり、その後で、同じことを繰り返す呼吸のことです。喫煙が原因とはなりません。
チェーンストークス呼吸について、日本救急医学会の解説のリンクを貼っておきます。
https://www.jaam.jp/dictionary/dictionary/word/0117.html
× 身体活動時には、血液中の、窒素分圧ではなく二酸化炭素の分圧の上昇により、呼吸中枢が刺激され、1 回換気量及び呼吸数が増加して、肺でのガス交換の量が多くなります。
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02
呼吸の仕組みと特徴に関する問題です。
呼吸は、横隔膜、肋間筋などの呼吸筋が周期的に収縮と弛緩をすることにより行われます。
胸膜の運動によるものではありません。
よって、誤った選択肢です。
肺胞内の空気と肺胞を取り巻く毛細血管中の血液との間で行われるガス交換は外呼吸です。
よって、誤った選択肢です。
説明文の通りです。
正しい選択肢です。
チェーンストークス呼吸とは、呼吸をしていない状態から次第に呼吸が深まり、やがて再び浅くなって呼吸が止まる状態を交互に繰り返す状態をいいます。
心不全や脳卒中などにより、延髄の呼吸中枢の機能が衰えることが原因です。
よって、誤った選択肢です。
身体活動時には、血液中の二酸化炭素分圧の上昇により呼吸中枢が刺激され、1回換気量及び呼吸数が増加します。
窒素分圧ではありません。
よって、誤った選択肢です。
労働生理は全般的に出題パターンがある程度決まっています。
過去問をしっかりとやり込むことが一番の対策です。
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03
労働生理、呼吸に関する問題です。
誤りです。
×胸膜→〇呼吸筋
息を吸ったり吐いたり(呼吸)する時、横隔膜や肋間筋などの呼吸筋が収縮と弛緩を繰り返し、胸腔内の圧力を変化させて肺を受動的に伸縮させています。
胸膜は肺や心臓などの臓器を被っている膜のこと言い、呼吸運動には関与していません。
誤りです。
×内呼吸→〇外呼吸
設問の説明は外呼吸の説明です。
内呼吸は、血液と組織の間で行われるガス交換のことを言い、血液が運んできた酸素を組織に取り込み、代謝で生じた二酸化炭素を血液中に出す、この一連の活動が内呼吸です。
設問の通りです。
成人の呼吸数は通常1分間に16-20回。食事、運動、入浴、発熱、興奮などによって増加します。
誤りです。
チェーンストークスは呼吸数の増加ではなく、呼吸パターンの変化を示します。
呼吸をしていない状態から徐々に呼吸が深くなり、やがてまた浅くなって呼吸が止まるという状態を繰り返すパターンの呼吸です。
延髄の呼吸中枢機能が原因となることが多いです。
誤りです。
×窒素分圧→〇二酸化炭素分圧
呼吸機能の調節は延髄にある呼吸中枢が担っています。
身体活動時に血液中の二酸化炭素分圧の上昇により呼吸中枢が刺激され、1回換気量及び呼吸数が増加します。
労働生理、人間の身体の仕組みはパターン化されているので過去問を解いて覚えていきましょう。
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