第二種衛生管理者の過去問
令和4年10月公表
労働生理 問10

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問題

第二種 衛生管理者試験 令和4年10月公表 労働生理 問10 (訂正依頼・報告はこちら)

脂肪の分解・吸収及び脂質の代謝に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 胆汁は、アルカリ性で、消化酵素は含まないが、食物中の脂肪を乳化させ、脂肪分解の働きを助ける。
  • 脂肪は、膵(すい)臓から分泌される消化酵素である膵アミラーゼにより脂肪酸とグリセリンに分解され、小腸の絨(じゅう)毛から吸収される。
  • 肝臓は、過剰な蛋(たん)白質及び糖質を中性脂肪に変換する。
  • コレステロールやリン脂質は、神経組織の構成成分となる。
  • 脂質は、糖質や蛋(たん)白質に比べて多くのATPを産生することができるので、エネルギー源として優れている。

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この過去問の解説 (4件)

01

今回の問題は消化器のなかで、脂質の分解と吸収に絞った出題です。消化器系には、肝臓の機能、消化酵素、タンパク質の消化と吸収、脂肪の分解と吸収などが出題される要素です。覚えるときも、それぞれの分野に特化して覚え、1つ分野が終わったら次の分野、というようにすれば消化器系が、整理できるでしょう。

選択肢1. 胆汁は、アルカリ性で、消化酵素は含まないが、食物中の脂肪を乳化させ、脂肪分解の働きを助ける。

〇 正しいです。胆汁は、アルカリ性の消化液で、消化酵素は含まれませんが、食物に含まれる脂肪を乳化させて、脂肪分解の働きを補助します。

選択肢2. 脂肪は、膵(すい)臓から分泌される消化酵素である膵アミラーゼにより脂肪酸とグリセリンに分解され、小腸の絨(じゅう)毛から吸収される。

× 脂肪は、膵(すい)臓から分泌される消化酵素である、膵アミラーゼではなく膵リパーゼにより、脂肪酸とグリセリンに分解され、小腸の絨(じゅう)毛から吸収されます。

選択肢3. 肝臓は、過剰な蛋(たん)白質及び糖質を中性脂肪に変換する。

〇 正しいです。肝臓は、コレステロールとリン脂質を合成し、余剰のタンパク質と糖質を、中性脂肪に変換します

選択肢4. コレステロールやリン脂質は、神経組織の構成成分となる。

〇 正しいです。コレステロール、タンパク質、リン脂質は、人の体の細胞の膜の成分になります。コレステロールの4分の1は脳にあり、

細胞膜の大部分が神経細胞を保護しています。

選択肢5. 脂質は、糖質や蛋(たん)白質に比べて多くのATPを産生することができるので、エネルギー源として優れている。

〇 正しいです。中性脂肪はエネルギーを蓄える働きがあり、糖質やタンパク質に比べ、多くのATP(アデノシン三リン酸)を産出するエネルギー源となります。糖質・タンパク質そして特に脂質の摂取量が多すぎると、肥満の元になります。

脂肪酸を分解したりコレステロールをつくる働きを、脂肪代謝と言います。

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02

脂肪の分解・吸収および脂質の代謝に関する問題です。

選択肢2. 脂肪は、膵(すい)臓から分泌される消化酵素である膵アミラーゼにより脂肪酸とグリセリンに分解され、小腸の絨(じゅう)毛から吸収される。

脂肪を脂肪酸とグリセリンに分解する酵素は膵リパーゼです。

膵アミラーゼはデンプンを糖に分解する酵素です。

よって、誤った選択肢です。

まとめ

労働生理は全般的に出題パターンがある程度決まっています。

過去問をしっかりとやり込むことが一番の対策です。

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03

脂肪の分解、吸収及び代謝に関する問題です。

選択肢1. 胆汁は、アルカリ性で、消化酵素は含まないが、食物中の脂肪を乳化させ、脂肪分解の働きを助ける。

アルカリ性の消化液である胆汁は、消化酵素は含みませんが、脂肪酸を分解(乳化)し、脂肪の消化吸収を助けます。

よって、本選択肢の内容は正しいです。

選択肢2. 脂肪は、膵(すい)臓から分泌される消化酵素である膵アミラーゼにより脂肪酸とグリセリンに分解され、小腸の絨(じゅう)毛から吸収される。

膵臓から分泌されるリパーゼは、十二指腸で胆汁と混合して乳化された脂質を分解し、脂肪酸とグリセリンにします。アミラーゼではありません。

よって、本選択肢の内容は誤りです。

なお、分解後は、腸壁から吸収されます。

選択肢3. 肝臓は、過剰な蛋(たん)白質及び糖質を中性脂肪に変換する。

脂質、糖質(炭水化物)、蛋白質を余剰に摂取すると、肝臓は、エネルギーを貯蔵するために中性脂肪に変換します。

よって、本選択肢の内容は正しいです。

選択肢4. コレステロールやリン脂質は、神経組織の構成成分となる。

神経細胞は、細胞膜成分の割合が大きく、コレステロールやリン脂質は構成成分となります。

よって、本選択肢の内容は正しいです。

選択肢5. 脂質は、糖質や蛋(たん)白質に比べて多くのATPを産生することができるので、エネルギー源として優れている。

エネルギー源となるATPは、脂質、糖質、蛋白質などを分解して産生されますが、その中で脂質は最も多くのエネルギーを生成することができます。

よって、本選択肢の内容は正しいです。

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04

脂肪の分解・吸収・代謝に関する問題です。

脂肪は糖質とともにエネルギー源となる物質です。

分解・吸収・代謝に関連する臓器や消化酵素などのポイントを押さえておきましょう。

では、選択肢を見ていきましょう。

選択肢1. 胆汁は、アルカリ性で、消化酵素は含まないが、食物中の脂肪を乳化させ、脂肪分解の働きを助ける。

正しいです。文のとおりです。

胆汁は肝臓で作られ、脂質を分解するリパーゼという消化酵素の働きを助けます。

選択肢2. 脂肪は、膵(すい)臓から分泌される消化酵素である膵アミラーゼにより脂肪酸とグリセリンに分解され、小腸の絨(じゅう)毛から吸収される。

誤りです。

文中の「膵アミラーゼ」が誤りで、正しくは「リパーゼ」です。

「アミラーゼ」はでんぷんを糖に分解する酵素です。

選択肢3. 肝臓は、過剰な蛋(たん)白質及び糖質を中性脂肪に変換する。

正しいです。文のとおりです。

選択肢4. コレステロールやリン脂質は、神経組織の構成成分となる。

正しいです。文のとおりです。

選択肢5. 脂質は、糖質や蛋(たん)白質に比べて多くのATPを産生することができるので、エネルギー源として優れている。

正しいです。文のとおりです。

なお、文中のATPとは「アデノシン三リン酸」のことです。

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