第二種電気工事士の過去問
令和4年度下期 午前
一般問題 問2

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問題

第二種 電気工事士試験 令和4年度下期 午前 一般問題 問2 (訂正依頼・報告はこちら)

ビニル絶縁電線(単線)の抵抗又は許容電流に関する記述として、誤っているものは。
  • 許容電流は、周囲の温度が上昇すると、大きくなる。
  • 許容電流は、導体の直径が大きくなると、大きくなる。
  • 電線の抵抗は、導体の長さに比例する。
  • 電線の抵抗は、導体の直径の2乗に反比例する。

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この過去問の解説 (3件)

01

 電線の流せる電流の関する問題です。

電線の抵抗は、長さに比例し、断面積に反比例します。

導体(電線)抵抗の温度特性は、温度と共に大きくなります。

選択肢1. 許容電流は、周囲の温度が上昇すると、大きくなる。

導体(電線)抵抗の温度特性は、温度と共に大きくなる特性があるので、温度が上昇すると大きくなり電流が流れにくくなりますので許容電流は減少します。

誤りです。

選択肢2. 許容電流は、導体の直径が大きくなると、大きくなる。

電線の抵抗は、長さに比例し、断面積に反比例しますので、直径が大きくなると許容電流も大きくなります。

正しいです。

選択肢3. 電線の抵抗は、導体の長さに比例する。

電線の抵抗は、長さに比例し、断面積に反比例します。

正しいです。

選択肢4. 電線の抵抗は、導体の直径の2乗に反比例する。

電線の抵抗は、長さに比例し、断面積に反比例します。

導体の断面積は直径の2乗に比例します。

正しいです。

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02

今回の問題は、絶縁電線の抵抗と許容電流の関係の問題です。

電流と抵抗の関係は、オームの法則から、電圧=電流×抵抗 で表されます。

電圧が一定とすると、抵抗が大きくなると、電流は小さくなり、許容電流が小さくなります。

逆に、抵抗が小さくなると、電流は大きくなり、許容電流は大きくなります。

一方、抵抗の大きさは、

電気抵抗=導体の抵抗率×(導体の長さ/導体の断面積)

で表され、抵抗が長いと抵抗値が大きくなり、抵抗が太くなると抵抗値は小さくなります。

次に、一般的に、金属は温度が高くなると、抵抗値が大きくなります。

しかし、選択肢1のように、電線の周囲の温度が上昇することと、電線の金属の温度が高くなるとは限りません。

電線の絶縁物は、種類によって最高許容温度が定められ、最高許容温度に達するまで電流は多く流せ、その限界が許容電流です。

絶縁物は温度が高くなると劣化して(電流が流れることで電線に熱が発生し、その影響も加わります)、最高許容温度が小さくなります。それによって、許容電流も変化します。

選択肢1. 許容電流は、周囲の温度が上昇すると、大きくなる。

×

周囲の温度が上昇することで、電線の最高許容温度が小さくなり、そのため許容電流も小さくなります。大きくなるは、誤りです。

選択肢2. 許容電流は、導体の直径が大きくなると、大きくなる。

導体の直径が大きくなることで抵抗値が小さくなるため、許容電流は大きくなります。正しいです。

選択肢3. 電線の抵抗は、導体の長さに比例する。

導体の長さが長くなると抵抗値が大きくなるため、導体の長さに比例します。正しいです。

選択肢4. 電線の抵抗は、導体の直径の2乗に反比例する。

導体の直径が大きくなると断面積が大きくなり、抵抗値は小さくなります。断面積は、直径の2乗に比例するため、抵抗値は反比例します。正しいです。

まとめ

<補足>

選択肢1は、周囲の温度が上昇することで、配線の導体の温度が上がり、抵抗が大きくなるという理由で、許容電流が大きくなる、ということ答えが自然な気がします。

しかし、「温度が上昇することで・・・」ではなく「周囲の温度が上昇することで・・・」と「周囲」という言葉が入っていることから、解説では、配線導体の温度上昇とはイコールではないとしました。

周囲の温度上昇が、もし火事であるなら、配線導体に直接影響数しますし、夏の異常高温という周囲の温度上昇という捉え方もあります。

結果的には、どちらで捉えても、許容温度は下がることになりますが。

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03

電線にも抵抗がわずかにですがあり、ジュール熱による発熱をします。

そのため、電線に許容電流より大きい電流を流すと、ジュール熱により導体を覆う被覆が溶けて火災や感電が起こる恐れがあります。

また、

電線の抵抗は長ければ長いほど大きくなり、

電線の抵抗は短ければ短いほど小さくなります。

電線の長さのぶんだけ電線の抵抗による影響を受けやすくなるからです。

電線の抵抗は太ければ太いほど小さくなり、

細ければ細いほど大きくなります。

電線が太ければ太いほどそれだけ電気を通しやすい導体部分が多くなり、電線の抵抗は小さくなります。結果、大きな電流を流しやすくなったり、発熱しにくくなります。

選択肢1. 許容電流は、周囲の温度が上昇すると、大きくなる。

誤りです。

周囲の温度が高いと熱の放散が悪くなり、導体や絶縁被覆の温度が下がりにくくなります。

結果、絶縁被覆が溶けやすくなり電線の許容電流は小さくなります。

選択肢2. 許容電流は、導体の直径が大きくなると、大きくなる。

正しいです。

電線が太ければ太いほどそれだけ電気を通しやすい導体部分が多くなり、電線による抵抗が小さくなり、発熱しにくくなります。結果、絶縁被覆が溶けにくくなり許容電流は大きくなります。

選択肢3. 電線の抵抗は、導体の長さに比例する。

正しいです。

電線の抵抗は導体が長ければ長いほど大きくなります。電線の長さの分だけ、電線の抵抗による影響を受けるからです。

選択肢4. 電線の抵抗は、導体の直径の2乗に反比例する。

正しいです。

電線の抵抗は導体の直系の2乗に反比例します。(太ければ太いほど電線の抵抗は小さくなる。)

電線の導体部分が多く、電気を通しやすいからです。

まとめ

電線の抵抗は長ければ長いほど大きくなり、断面積が大きければ大きいほど小さくなります。

許容電流は電線が太ければ太いほど大きく、周囲温度が上がれば上がるほど小さくなります。

まずは知識として頭に入れておいて、そこから理解に及ぶと試験対策としてはスムーズかと思います。

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