第二種電気工事士の過去問
令和5年度上期 午前
一般問題 問30

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問題

第二種 電気工事士試験 令和5年度上期 午前 一般問題 問30 (訂正依頼・報告はこちら)

「電気設備に関する技術基準を定める省令」における電路の保護対策について記述したものである。次の空欄A及びBの組合せとして、正しいものは。

電路の( A )には、過電流による過熱焼損から電線及び電気機械器具を保護し、かつ、火災の発生を防止できるよう、過電流遮断器を施設しなければならない。
また、電路には、( B )が生じた場合に、電線若しくは電気機械器具の損傷、感電又は火災のおそれがないよう、( B )遮断器の施設その他の適切な措置を講じなければならない。ただし、電気機械器具を乾燥した場所に施設する等( B )による危険のおそれがない場合は、この限りでない。
  • A:必要な箇所     B:地絡
  • A:すべての分岐回路  B:過電流
  • A:必要な箇所     B:過電流
  • A:すべての分岐回路  B:地絡

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題は電気設備技術基準(以下「電技省令」という)の第14条と第15条について問われている問題です。

Aは電技省令第14条、Bは電技省令第15条の内容から出されています。

電技省令第14条(過電流から電線及び電気機械器具の保護対策)

・電路の必要な箇所には、過電流による過熱焼損から電線及び電気機械器具を保護し、かつ、火災の発生を防止できるよう、過電流遮断器を施設しなければいけない。

電技省令第15条(電気設備の接地の方法)

電路には、地絡が生じた場合に、電線若しくは電気機械器具の損傷、感電又は火災のおそれがないよう、地絡遮断器の施設その他の適切な措置を講じなければならない。ただし、電気機械器具を乾燥した場所に施設する等地絡による危険のおそれがない場合は、この限りでない。

よってA:必要な箇所、B:地絡の組み合わせが正解になります。

選択肢1. A:必要な箇所     B:地絡

この組み合わせは正解です。

選択肢2. A:すべての分岐回路  B:過電流

この組み合わせは不正解です。

選択肢3. A:必要な箇所     B:過電流

この組み合わせは不正解です。

選択肢4. A:すべての分岐回路  B:地絡

この組み合わせは不正解です。

まとめ

法令に関する問題は丸暗記も有効ですが、問題文をしっかり読み解くことで正解に近づく場合もあります。

この問題のBについては乾燥している場所では省略できると書かれていますが、

過電流は全ての電気機器で避けられませんが、

乾燥した場所では地絡を検出できる漏電遮断器ではなく、

過電流遮断器でよい事を覚えておけば回答しやすくなります。

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02

電気設備に関する技術基準を定める省令より抜粋すると

 

(過電流からの電線及び電気機械器具の保護対策)

第十四条 電路の必要な箇所には、過電流による過熱焼損から電線及び電気機械器具を保護し、かつ、火災の発生を防止できるよう、過電流遮断器を施設しなければならない。

(地絡に対する保護対策)

第十五条 電路には、地絡が生じた場合に、電線若しくは電気機械器具の損傷、感電又は火災のおそれがないよう、地絡遮断器の施設その他の適切な措置を講じなければならない。ただし、電気機械器具を乾燥した場所に施設する等地絡による危険のおそれがない場合は、この限りでない。

 

となっております。

 

文脈や他も文言からも判断すると

Aについては過電流遮断器を必要としない回路もあるので、すべての分岐回路は誤りとなります。

Bについては過電流ではなく、地絡となりますね。

 

選択肢1. A:必要な箇所     B:地絡

正しい選択肢です。

選択肢2. A:すべての分岐回路  B:過電流

不正解です。

選択肢3. A:必要な箇所     B:過電流

不正解です。

選択肢4. A:すべての分岐回路  B:地絡

不正解です。

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03

この問題は過電流遮断器と地絡遮断器について、正しい記述を選択する問題です。ポイントとしてそれぞれの特性や使用用途を理解した上、問題の前後の文章を読み解く力が必要となります。

2つの遮断器の特徴は以下のようになります。

①過電流遮断器‥‥過電流(定格以上の電流がブレーカや電線に流れる)や短絡電流(電線間の接触によるショート)を検出し、電線やブレーカー等を過熱焼損から保護します。

主な機器:配線用遮断器(ブレーカー)、ヒューズ

②地絡遮断器‥‥地絡電流(アース線に電流が流れている状態)や漏電電流を検出し、電線又はブレーカー等を感電または火災のおそれがないよう施設しなければなりません。ただし設置省略できる場所の一つとして乾燥した場所などがあります。(※水気のある場所は省略できません。)

主な機器:漏電遮断器など

まとめると過電流(電気の使い過ぎなど)はどのような電路にも必ず起こりうる事であり、地絡に関しては起きにくい場所もあるというのがわかります。

選択肢1. A:必要な箇所     B:地絡

(A)に入るのは必要な箇所

上記の理由により設置しなければならないからです。

(B)に入るのは地絡

問題文より乾燥した場所に施設する等とあるので地絡遮断器というのがわかります。

よって正解です。

選択肢2. A:すべての分岐回路  B:過電流

(A)のすべての分岐回路は誤りです。

分岐回路だけではなく、メインブレーカーも含めた電路の必要な箇所とあるので誤りです。

(B)過電流は誤りです。

問題文より乾燥した場所に施設する等とあるので地絡遮断器というのがわかります。

よって不正解です。

選択肢3. A:必要な箇所     B:過電流

(A)に入るのは必要な箇所

上記の理由により設置しなければならないからです。

(B)過電流は誤りです。

問題文より乾燥した場所に施設する等とあるので地絡遮断器というのがわかります。

よって(B)が誤りですので不正解です。

選択肢4. A:すべての分岐回路  B:地絡

(A)のすべての分岐回路は誤りです。

分岐回路だけではなく、メインブレーカーも含めた電路の必要な箇所とあるので誤りです。

(B)に入るのは地絡

問題文より乾燥した場所に施設する等とあるので地絡遮断器というのがわかります。

(A)が誤りですので不正解です。

まとめ

法令問題の特徴として、分かりにくい表現を使った問題が多くあります。この問題の(A)も大変紛らわしくどちらとも正解と言えるような表現を使用されています。対策として過去問を繰り返し勉強して問題の傾向に慣れる事をおすすめいたします。また、答えを丸暗記ではなく問題文をよく読む訓練も必要だと思います。

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