第二種電気工事士の過去問
令和5年度下期 午前
一般問題 問7

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問題

第二種 電気工事士試験 令和5年度下期 午前 一般問題 問7 (訂正依頼・報告はこちら)

図のような単相3線式回路で、負荷A、負荷Bはともに消費電力800Wの抵抗負荷である。負荷電圧がともに100Vであるとき、この配線の電力損失[W]は。
ただし、電線1線当たりの抵抗は0.5Ωとする。
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この過去問の解説 (2件)

01

負荷Aに流れ込む電流 IA [A]は、負荷が800 [W] であるから、次のように計算されます。

IA [A]×100 [V]=800 [W] から、IA [A]=8 [A]です。

したがって、0.5 [Ω]の配線による電力損失 PA [W]は、次のようになります。

PA [W]=IA2 ×0.5 [Ω]=32 [W]

 

同様に、負荷Bから流れる電流による電力損失 PB [W]も同様に、32 [W]です。

 

中性線に流れる電流による電力損失は、単相3線式回路が平衡状態にあることから、電流は流れませんので、電力損失は 0 [W]です。

 

したがって、単相3線式回路の電力損失は、PA [W]とPB [W]の和となります。

配線による電力損失=PA [W]+PB [W]=64 [W]

選択肢1. 32

1方向の配線の電力損失を求めています。往復で考えなければなりません。

選択肢2. 64

冒頭での解説どおり、64 Wです。

選択肢3. 96

中性線でも同じ電流が流れると判断した結果と考えられます。中性線の電流はありません。

選択肢4. 128

128 Wの計算根拠が分かりませんが、計算ミスと考えられます。

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02

単相3線式回路の中央の線の線を中性線と呼びます。

 

回路の上半分と下半分にある抵抗負荷が平衡している(つりあっている)時には、中性線に電流は流れません。

 

今、回路上半分の抵抗負荷Aと下半分の抵抗負荷Bの消費電力と、電圧はどちらも100Vなので、抵抗負荷は平衡しています。

 

よって中性線に電流は流れていないので、中性線の電力損失もゼロです。

 

抵抗負荷AとBに流れている電流の大きさは、電力(W)=電圧(V)×電流(A)の公式から、以下のように求められます。

800(W)=100(V)×電流(A) 

電流(A)=800(W)/100(V)=8(A)

 

従って、単相3線式回路を流れる電流値は8(A)です。

 

電力損失は、電線抵抗(Ω)×{電流(A)}2により求められます。

 

回路上下の電線の抵抗はいずれも0.5(Ω)なので、

0.5(Ω)×8(A)2+0.5(Ω)×8(A)2=64(W)

 

となり、電力損失の値は64(W)が正解です。

選択肢1. 32

解説の通り、電力損失は64Wなので不正解です。

選択肢2. 64

解説の通り、電力損失は64Wとなるので、正解です。

 

選択肢3. 96

解説の通り、電力損失は64Wなので不正解です。

選択肢4. 128

解説の通り、電力損失は64Wなので不正解です。

まとめ

単相3線式回路の問題を解くポイントは以下3つです。

 

・回路上半分と下半分の抵抗負荷が平衡している時には、中性線に電流は流れない

・電力(W)=電圧(V)×電流(A)

・電力損失(W)=電線抵抗(Ω)×{電流(A)}2

 

回路の性質と公式をよく確認しておきましょう。

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