第二種電気工事士 過去問
令和6年度上期
問5 (一般問題 問5)

この問題は、三相3線式回路に流れる電流を求める問題です。

まずは、図の中の相電圧を求めます。

相電圧→200⁄√３→115.６…    

電流→I＝E÷R→115.６÷１０→11.５６A

なので一番近い11.６となります。

１．問題の条件を確認します。
図から、三相3線式回路で各負荷はY結線されており、各負荷の抵抗は10(Ω)、線間電圧は200(V)とわかります。
この場合、各相の負荷にかかる電圧は線間電圧 V_L から次の式で求めます。
 

V_P = V_L / √3
 

ここで、
V_P：各相の電圧 (V)
V_L = 200(V)
計算すると、
V_P = 200 / √3 ≈ 115.47(V)

２．各相の電流を求めます。
各相の負荷抵抗 R = 10(Ω) なので、各相の電流 I_P はオームの法則より次のように求めます。
I_P = V_P / R
I_P = 115.47 / 10 ≈ 11.55(A)

３．線電流を求めます。
三相回路の線電流 I は、Y結線では各相電流 I_P に等しいので、
I = I_P ≈ 11.55(A)

４．選択肢を確認します。
選択肢を確認すると、正解は 11.6 (A) となります。

図に示されている回路は、負荷がYの字に接続されています。

これは、三相交流の回路の1つでスター結線と呼ばれるものです。

スター結線の電源と負荷は以下の回路図のように接続されています。

上図に示されている電圧と電流の名称は以下の通りです。

相電圧：V_a,V_b,V_c

線間電圧：V_ab,V_bc,V_ca

相電流：I_a,I_b,I_c

線電流：I_A,I_B,I_C

スター結線の相電圧と線間電圧、相電流と線電流には以下のような関係性があります。

線間電圧＝√3×相電圧

線電流＝相電流

この問題で問われている電流Iは線電流です。

スター結線の線電流は相電流と等しいので、10Ωの負荷に流れる相電流を求めれば線電流が求められます。

10Ωの負荷にかかる電圧は相電圧です。

線間電圧は200Vなので、相電圧は以下のように計算できます。

200(V)=√3×相電圧

相電圧=200/√3(V)

相電流の値は以下の通りです。

相電流＝(200/√3)(V)/10(Ω)=20/√3（A)≅11.6A

相電流は線電流と等しいので、Iは11.6Aとなり、11.6Aが正解となります。