クレーン・デリック運転士の過去問
令和4年(2022年)10月
クレーン及びデリックに関する知識 問9

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問題

クレーン・デリック運転士試験 令和4年(2022年)10月 クレーン及びデリックに関する知識 問9 (訂正依頼・報告はこちら)

デリックの取扱いに関する記述として、適切でないものは次のうちどれか。
  • 構造上、巻過防止装置を備えることができないデリックは、巻過ぎを防止するためドラムに目印を付けておく方法がある。
  • 巻下げのとき、ドラムをフリーにして、ブレーキだけで速度を制御するデリックの場合は、急ブレーキによる衝撃を避けるため、慎重な運転操作が求められる。
  • みぞ付きでないドラムにワイヤロープを重ね巻きにするデリックは、ワイヤロープのフリートアングルが制限されている。
  • ブレーキ、クラッチ、警報装置などの機能を確認するためのならし運転は、無負荷で行う。
  • ウインチを用いるデリックでは、作業中に停電になったときは、ブレーキに歯止め又は止め金を掛け、クラッチを外し、スイッチを切って通電を待つ。

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この過去問の解説 (1件)

01

適切でないものは

「ウインチを用いるデリックでは、作業中に停電になったときは、ブレーキに歯止め又は止め金を掛け、クラッチを外し、スイッチを切って通電を待つ」です。

 

デリックの取扱いに関する各選択肢を確認して、適切かどうかを判断しましょう。

選択肢1. 構造上、巻過防止装置を備えることができないデリックは、巻過ぎを防止するためドラムに目印を付けておく方法がある。

この記述は誤りです。
巻過防止装置が設置できない場合には、目印を付けて巻過ぎを防止する方法は推奨されますが、それだけでは安全を確保できません。法令上、このような方法は「補助的な手段」として認められる場合がありますが、警報音やライトで警告する補助装置を追加する、運転者に巻過ぎの危険性を教育し、過信や見落としを防ぐといったより高い安全対策が必要です。

選択肢2. 巻下げのとき、ドラムをフリーにして、ブレーキだけで速度を制御するデリックの場合は、急ブレーキによる衝撃を避けるため、慎重な運転操作が求められる。

この記述は正しいです。
巻下げ時にブレーキだけで制御する場合、急な停止はワイヤロープやデリックの構造に負荷をかけるため、慎重な操作が求められます。

選択肢3. みぞ付きでないドラムにワイヤロープを重ね巻きにするデリックは、ワイヤロープのフリートアングルが制限されている。

この記述は正しいです。
みぞ付きでないドラムの場合、ワイヤロープの巻き方向が乱れやすいため、フリートアングルが厳しく制限されます。この制限により、ロープの正しい巻き付けが確保されます。

選択肢4. ブレーキ、クラッチ、警報装置などの機能を確認するためのならし運転は、無負荷で行う。

この記述は正しいです。
安全確認の目的で行うならし運転は、無負荷で実施することが基本です。無負荷で行うことで異常が発見されても大きな事故を防ぐことができます。

選択肢5. ウインチを用いるデリックでは、作業中に停電になったときは、ブレーキに歯止め又は止め金を掛け、クラッチを外し、スイッチを切って通電を待つ。

この記述は正しいです。
停電時には、荷の落下や逸走を防ぐため、ブレーキをしっかり掛けて荷を固定し、安全を確保します。その後、通電を待つ際にスイッチを切る対応も適切です。

まとめ

デリックの安全運用では、装置の特性や法令上の要求を正確に理解する必要があります。特に、巻過防止装置を設置できない場合には、目印だけで済ませるのではなく、他の安全対策も併用するべきです。また、停電時やブレーキ操作時の正しい対応を理解し、現場での安全を確保できるようにしましょう。

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