問題
「70歳の男性。右手足がふるえ、動作が緩慢となり受診した。顔面は無表情で、立位では前かがみであった。認知症はない。」
本疾患にみられる身体所見はどれか。
症例の70歳の男性は、右手足のふるえ、
動作緩慢、顔面は無表情で、
立位では前かがみ、認知症はないとのことでした。
これらの症状から、ドーパミンの欠乏が示唆され、
パーキンソン病が疑われます。
ドパミンが減少すると、筋緊張が亢進し、
筋肉が硬くなり、固縮がみられるようになります。
固縮は、パーキンソン病の症状のひとつですので、
これが正解であると考えられます。
強直は、関節部の骨や軟骨に破壊、変形や
炎症による癒着が起こるために、
関節が動かなくなったり
筋肉が収縮してこわばるようになったりする状態です。
痙縮は、
筋肉の収縮と弛緩のバランスが崩れて筋緊張が高まった結果、
筋肉が収縮してしまう状態です。
けいれんは、全身、または体の一部の筋肉が、
自分の意思とは無関係に収縮する状態です。
パーキンソン病の主な症状は、
安静時振戦、固縮、無動・寡動、姿勢反射障害です。
設問はパーキンソン病と考えられます。
中高年以降に発症し、女性の方が1.5~2倍程度有病率が高いです。
パーキンソン病は振戦、筋固縮、寡動、無動、姿勢反射障害が主症状です。
小刻み歩行、安静時振戦、突進現象、仮面様顔貌、前傾姿勢、歯車様固縮などの症状が特徴的です。
パーキンソン病では鉛管現象と呼ばれる固縮が見られます。
強直
関節包内の骨、軟骨が原因で起きる関節可動域制限
完全強直=骨性強直
不完全強直=線維性強直があります。
強直性脊椎炎、関節リウマチなどで見られます。
痙縮
脳卒中の後遺症としてみられる運動障害です。
筋緊張が亢進し、手足が動かしにくい、首や背中が反ってしまうなどの症状が見られます。
けいれん
不随意に起こる筋の攣縮です。
代表的なものにてんかんがあります。
手足の震え、動作緩慢、仮面様顔貌(顔面無表情)、前傾姿勢などの症状からパーキンソン病が考えられます。
パーキンソン病とは、中高年期に発症し、手足の震えや体のこわばりを特徴とする進行性の神経変性疾患です。
パーキンソン病の主要症状は、安静時振戦、無動、筋固縮がみられます。よって正解です。