あん摩マッサージ指圧師の過去問 第25回(2017年) 午前 問67
この過去問の解説 (3件)
欠乏症とはビタミンを含む食品の吸収障害や摂取不足などで起こる疾患・症状のことを指します。
ビタミンAの欠乏症に夜盲症があります。
壊血病はビタミンCの欠乏により生じます。
ビタミンB12の欠乏症に巨赤芽球性貧血(悪性貧血)があります。
脚気はビタミンB1の欠乏により生じます。
ビタミンCの欠乏症には壊血病があります。
夜盲症はビタミンAの欠乏により生じます。
ビタミンDの欠乏症には骨軟化症があります。なので、これが正解であると考えられます。
小児の場合ではくる病、成人では骨軟化症と呼び、ビタミンDの欠乏により、骨に石灰化が起こらず、強度が不足するために生じます。また、ビタミンDには腸管でカルシウムの吸収をサポートする役割があります。
ビタミンA・D・E・Kといった脂溶性ビタミンでは、体内に貯蔵されるため欠乏症にはなりにくく、過剰摂取による過剰症が生じやすくなります。ビタミンB群のような水溶性ビタミンの場合は、体内に貯蔵されず、過剰摂取された水溶性ビタミンは尿として排泄されるため、欠乏症になりやすく、過剰症にはなりにくいとされます。
それぞれ、過剰症や欠乏症の組合せを押さえておくと良いです。
ビタミン欠乏症・過剰症
【脂溶性】
ビタミンA(レチノール)視力に関係皮膚や粘膜の保護
過剰:頭痛、めまい、発熱、吐き気、顔面のむくみ、脱毛、皮膚の剥離や痒み、四肢の痛みや腫れ、食欲不振
欠乏:とり目、角膜乾燥症、角化症
ビタミンDカルシウムの吸収促進骨を作る細胞の活性化
過剰:高カルシウム血症、腎臓結石、興奮、不眠、頭痛、食欲不振、悪心、吐き気、脱力、倦怠、疲労、頭痛、口の渇き、意識混濁、下痢
欠乏:くる病、骨・歯の発育不全
ビタミンE(トコフェロール)細胞膜の機能の維持脂肪代謝に関係
過剰:過剰症はほとんど認められない(下痢、腹痛、疲労、頭痛)
欠乏:神経・運動機能の低下、溶血性貧血
ビタミンK凝固因子の合成骨の形成
過剰:溶血性貧血、吐き気、軟便
欠乏:出血傾向、骨粗鬆症
【水溶性】
ビタミンB1(チアミン)糖分やアルコールの分解神経機能の維持
過剰:ふるえ、ヘルペス、神経症、脈拍の増加、アレルギー
欠乏:かっけ(しびれ、むくみ)酒の飲み過ぎによるB1欠乏では脳の異常
ビタミンB2(リボフラミン)アミノ酸の代謝に関係皮膚、粘膜の保護
過剰:吐き気、軟便、下痢
欠乏:口角炎、舌炎、眼の疲れ、皮膚のかさかさ
ビタミンB6(ピリドキシン)アミノ酸の代謝に関係神経機能の維持
過剰:手足のしびれ、知覚異常、痛みや振動感、疲労、神経過敏
欠乏:口角炎、舌炎、皮膚のかさかさ末梢神経炎(手足のしびれ)
ビタミンB12(シアノコバラミン)神経機能の維持、造血
過剰:ざ瘡、赤血球増多、末梢血管の血栓
欠乏:貧血、末梢神経炎(手足のしびれ)
ナイアシン(ニコチン酸)皮膚、粘膜の保護
過剰:皮膚の紅潮、動悸、頭痛、吐き気、悪心、肝障害
欠乏:ペラグラ(陽があたる部分の発赤、不眠、忘れっぽい、吐き気や下痢)
ビタミンC(アスコルビン酸)コラーゲンの合成免疫機能の増強
過剰:吐き気、下痢、頭痛、倦怠感、不眠、結石形成
欠乏:歯肉の出血、あざができやすい(毛細血管がもろくなる)
葉酸 核酸や蛋白の合成
過剰:亜鉛の吸収阻害
欠乏:貧血
水溶性ビタミン欠乏症
・ビタミンB1 脚気
・ビタミンB2 口角炎
・ビタミンB6 貧血、多発性神経炎、口角炎
・パントテン酸 四肢のしびれ感
・ナイアシン(ニコチン酸) ペラグラ(皮膚炎、下痢、痴呆)
・葉酸 巨赤芽球性貧血、下痢、舌炎
・ビタミンB12 巨赤芽球性貧血、ハンター舌炎、末梢神経炎
・ビオチン 舌炎
・ビタミンC 壊血病
脂溶性ビタミン欠乏症
・ビタミンA 夜盲症、眼球乾燥
・ビタミンD くる病、骨軟化症
・ビタミンE 溶血性貧血、脱毛
・ビタミンK 出血傾向、メレナ(血便)
解説が空白の場合は、広告ブロック機能を無効にしてください。
また、広告右上の×ボタンを押すと広告の設定が変更できます。