あん摩マッサージ指圧師の過去問
第27回(2019年)
午後 問61
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問題
あん摩マッサージ指圧師国家試験 第27回(2019年) 午後 問61 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文で示す症例について、問いに答えよ。
「31歳の男性。主訴は腹痛と下痢。勤務時間が長く、ストレスが続いている。腹痛と腹部膨満感は排便により軽減する。噯気が多い。過敏性腸症候群と診断された。」
本症例の臓腑の病証で最も適切なのはどれか。
「31歳の男性。主訴は腹痛と下痢。勤務時間が長く、ストレスが続いている。腹痛と腹部膨満感は排便により軽減する。噯気が多い。過敏性腸症候群と診断された。」
本症例の臓腑の病証で最も適切なのはどれか。
- 肝
- 心
- 肺
- 腎
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この過去問の解説 (3件)
01
31歳の男性患者の主訴は腹痛と下痢でした。
勤務時間が長く、ストレスが続いており、
腹痛と腹部膨満感は排便により軽減し、
噯気が多い状況でした。
また、過敏性腸症候群と診断されていました。
男性患者の症状から、
肝気がうっ滞し、脾胃の機能が低下していることが
うかがわれますので、
これが正解であると考えられます。
心の病証では、
動悸や息切れ、不安感などがみられます。
肺の病証では、
息切れや痰などがみられます。
腎の病証では、
頻尿といった排尿の異常などがみられます。
脾の病証では、
嘔吐や下痢などがみられます。
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02
この症例を東洋医学的な診断をするにあたり、以下の証が現れています。
・ストレスが続いている。
・腹痛と腹部膨満感(排便により軽減する)
・下痢
・噯気(げっぷ)が多い
1.肝
肝はストレスの影響が大きい臓器です。
噯気(げっぷ)は脾胃や肝の働きが悪い時に見られます。
今回の証は下痢・腹痛などの脾の証とストレス・曖気などの肝の証が多いため、正答となります。
2.心
心の場合、下痢はあまり見られません。
心の病は心悸等が特徴的であり、腹痛よりも胸痛や、心窩部痛等が現れます。
ほかにめまいや健忘などが現れやすくなります。
3.肺
肺の場合、下痢や腹痛はあまり見られません。
疼痛でも胸痛等が多く、呼気には咳嗽や息切れなどが現われます。
4.腎
腎の病において、陽虚の際には下痢などがあらわれますが、腹痛よりも腰痛などが現れやすくなります。
また呼気では欠(あくび)等がみられることとなります。
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03
過敏性腸症候群とは、腸に器質的な異常がないのにも関わらず、腸管の運動や緊張の亢進、分泌機能亢進により、便秘、下痢を繰り返したり、腹痛などの不定の胃腸症状を呈するものです。
症状は、便秘型、下痢型、交代制下痢があります。それぞれ便秘、下痢あるいは便秘、下痢を繰り返します。大部分は、腹痛、とくに左下腹部痛を伴い、排便、排ガスにより軽快することが多いです。
腹痛と下痢、ストレスが続いている症状から関係するのは、肝と脾です。
よって本症例の臓腑の病証で最も適切は、1.肝が正解となります。
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