あん摩マッサージ指圧師の過去問
第27回(2019年)
午後 問62

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問題

あん摩マッサージ指圧師国家試験 第27回(2019年) 午後 問62 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文で示す症例について、問いに答えよ。

「58歳の男性。子どものときに左肘を骨折した。最近、小指にしびれを感じるようになった。上腕骨内側上顆と肘頭の間を押すと放散痛がみられる。」

ティネル徴候で放散痛が走る部位と一致する経脈として、最も考えられるのはどれか。
  • 太陽小腸経
  • 太陰肺経
  • 陽明大腸経
  • 厥陰心包経

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この過去問の解説 (3件)

01

子どもの頃左肘骨折の既往がある58歳の男性は、

最近、小指のしびれと、

上腕骨内側上顆と肘頭の間を押したときに

放散痛がみられていました。

ティネル徴候は、神経絞扼部を圧迫することにより、

その神経の走行部位に痺れが誘発されるものです。

選択肢1. 太陽小腸経

太陽小腸経は、

手の小指爪根からおこり、手背尺側、

手関節後面、肘関節、腋窩横紋後端を経て、

前腕耳珠に至ります。

男性患者の症状から、尺骨神経障害が疑われ、

放散痛が走る部位と経脈が一致しているといえますので、

これが正解であると考えられます。

選択肢2. 太陰肺経

太陰肺経は、胸部からおこり、

上腕前面、肘窩横紋、手首前面横紋を経て、

母指橈側爪甲根部に至ります。

選択肢3. 陽明大腸経

陽明大腸経は、

示指橈側爪甲根部におこり、

手関節後橈側、前腕、肘窩横紋の外方、

肩を経て、鼻唇溝中に至ります。

選択肢4. 厥陰心包経

厥陰心包経は、胸部におこり、

上腕、肘窩横紋尺側、手関節前面横紋、

手掌を経て中指に至ります。

まとめ

選択肢に挙げられた経脈の流注について

確認しておきましょう。

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02

ティネル徴候は神経損傷を見るテストで、神経走行上を叩く事によって、傷害されている神経を調べるものです。

小指に痺れがあり、上腕骨内側上顆と肘頭の間を押すと放散痛が現れることから、尺骨神経の障害が考えられ、また、肘の骨折が原因と考えられるため、前腕後内側にティネル徴候が現れることが予想できます。

正答は流注において、【前腕後内側】を通る経脈となります。

1.太陽小腸経は、小指内側端に起り、手の内側、【前腕後内側】、【尺骨神経孔】を通るため正答となります。

太陽小腸経の流注は尺骨神経の走行です。

2.太陰肺経は、上腕前外側から【肘窩】、【前腕前外側】、手関節前面横紋外端を通り、母子外側端に終わります。

太陰肺経の流注は橈骨神経の走行となります。

3.陽明大腸経は示指外側に起り、【前腕後外側】を上り、【肘窩横紋外側】に至ります。

陽明大腸経の流注は橈骨神経の走行となります。

4.厥陰心包経は、上腕前面、【肘窩】、【前腕前面】、手掌を通り中指先端中央に終ります。

厥陰心包経の流注は正中神経の走行となります。

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03

正解は1です。

「子どものときに左肘を骨折、最近、小指にしびれを感じるようになった。上腕骨内側上顆と肘頭の間を押すと放散痛がみられる」という症状から、遅発性尺骨神経麻痺が考えられます。
ティネル徴候で放散痛が走る部位と一致する経脈は、1 . 太陽小腸経です。

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