問題
「18歳の女性。バスケット選手。主訴は膝痛。膝蓋骨下端に限局した圧痛、自発痛、運動痛がみられる。」
本症例に対する対応で適切でないのはどれか。
バスケット選手である18歳の女性の主訴は膝痛で、
膝蓋骨下端に限局した圧痛、自発痛、運動痛が
みられていました。
これらの症状より、膝蓋腱の炎症が疑われます。
大腿前面のストレッチは、大腿四頭筋の柔軟性を増し、
膝への負担を軽減しますので、
適切な対応であるといえます。
膝部位への極超短波の照射は、
温熱療法のひとつですが、
炎症が生じている際は使用しません。
適切でない対応を選びますので、
これが正解であると考えられます。
運動後の膝部位へのアイシングは、
運動痛があり、炎症が生じている可能性がある場合、
適切な対応であるといえます。
下肢のウォームアップは、
運動前の筋肉の柔軟性を高め、
患部への負担を軽減することができますので、
適切な対応であるといえます。
膝蓋腱炎の治療では、
リハビリテーションのほか、
装具療法、注射療法などが行われます。
本症例は年齢も若く、蓋骨下端に限局した圧痛、自発痛、運動痛があるなどから、急性期の可能性があります。
1.大腿前面のストレッチ
大腿前面のストレッチは、患部周辺の筋緊張を緩め、疼痛を緩和させる目的で行います。
患部である膝への直接的なストレッチは難しく、遠位のリハビリは適しています。
2.膝部位への極超短波の照射
極超短波の照射は、関節拘縮発生予防を目的とした温熱療法です。
禁忌の中に、炎症症状の強いときとあります。
損傷によって炎症が起きている可能性がある本症例の場合は増悪する可能性があり、不適切といえるため、正答となります。
3.運動後の膝部位へのアイシング
運動時痛がある本症例なので、運動後の膝部位へのアイシングによって炎症を治める処置であり、適していると言えます。
4.下肢のウォームアップ
下肢のウォームアップは、運動前に血行を促進しておくことで、疼痛緩和を見込んだものであり、本症例に適していると言えます。