問題
「 12 歳の女児。頭痛、発熱と発疹が出現したが 3 日ほどで消失した。口腔内に発疹はなかった。その後、頸部のリンパ節腫大が続くため来院した。」
最も考えられる疾患はどれか。
本症例で特徴的なのは、「発疹」「3日ほどで症状が消失」「リンパ節腫大」「口腔内の発疹はない」です。このような問題ではキーワードに注目し、選択肢を読み解いていきます。
麻疹は麻疹ウイルスにより、空気感染や飛沫感染または接触感染などで感染する、感染力が極めて強い感染症です。発熱や咳、発疹(コプリック斑)などの症状を伴います。
正解です。風疹は風疹ウイルスによって引き起こされる感染症です。発熱、発疹、リンパ節腫脹を特徴とします。
風疹は「三日はしか」とも言われるように、症状は麻疹(はしか)と似ていますが、一般的に症状は風疹の方が軽くなります。
じんま疹は、皮膚の一部が虫に刺されたように突然赤く腫れ上がる疾患です。食品や薬品などのアレルギー反応のほか、物理的なものや精神的ストレスで発症することもあります。
手足口病は、手の平や足の裏、口の中などに水疱性発疹ができる感染症です。エンテロウイルスやコクサッキーウイルスの感染により発症します。
本症例では、先ず、12歳の女児、からは全ての解答が当てはまります。
次に、頭痛、発熱、発疹が出現、三日程度で消失、から、蕁麻疹は外れます。
更に、口腔内の発疹はない、から麻疹と、手足口病も外れます。
そして、頸部のリンパ節腫大が続くということから、風疹が当てはまります。
間違いです。
麻疹とは、麻疹ウイルスによる感染症で、非常に感染力が強く、空気感染します。
小児に好発し、約二週間の潜伏期間を経て発症し、発熱、鼻汁、目やに、咳嗽などの症状が出て、三日ほどで解熱した後、口腔内に点状の白色班(コプリック班)が出現します。
再度発熱(二峰性発熱)し、顔面から全身へ発疹が拡大し、2週間ほどで治癒します。
正解です。
風疹は、風疹ウイルスによる感染症で、飛沫感染する。潜伏期間は約二週間で、頭痛、発熱、発疹、リンパ節腫脹などの症状が出現します。
間違いです。
蕁麻疹は、急性蕁麻疹、慢性蕁麻疹、アレルギー性蕁麻疹、コリン性蕁麻疹、物理性蕁麻疹など、様々な要因により発症する、掻痒感の強い一過性の浮腫状の湿疹です。
間違いです。
手足口病は、乳幼児が夏に流行する、エンテロウイルスやコクサッキーウイルスなどによって飛沫感染する感染症です。
5日間ほどの潜伏期間を経て発症し、発熱、水疱などの症状が出ます。
エンテロウイルスによるものと、コクサッキーウイルスによるものによって、多少症状に違いがあります。