問題
「 71 歳の女性。主訴は慢性の便秘。最近は硬い便で 4 日に 1 回となった。便意がなく、食欲も減退し口が渇く。腹力もない。病院では機能性便秘と言われた。」
本症例にみられる病証で最も適切なのはどれか。
症例の女性は、機能性便秘で、
食欲減退、口の渇きがあり、腹力のない状態です。
口の渇きがあることから、熱証、
食欲減退と腹力がないことから虚証であると考えられます。
実熱証は、急性疾患や炎症などにより熱を生じている状態です。
症例の女性は口渇の訴えがありますが、
腹力がないことから、虚証であることが考えられるため、
実熱証ではないと考えられます。
実寒証は、寒邪によって寒冷の状を示している状態です。
症例の女性は便秘を主訴としており、
泥状便がみられる実寒証ではないと考えられます。
虚寒証は、
陽気不足により相対的に寒冷の状を示している状態です。
症例の女性は熱証であることが考えられるため、
虚寒証ではないと考えられます。
虚熱証は、腎精や陰液の不足により熱が生じている状態です。
症例の女性は、
機能性便秘で口の渇きがあることから熱証、
食欲減退腹力のない状態であることから虚証と考えられ、
これが正解となります。
症例問題では、患者の症状を丁寧に読み取っていきましょう。
問題本文の症例から、食欲減退、腹力がないという事から、虚証という事がわかります。
更に、口が渇くという事から、熱証という事がわかるので、虚熱証と導き出せます。
感染症により熱発した状態や、局所的な炎症など、発赤や腫脹、疼痛などの炎症症状がみられます。
熱の邪気が体に熱をもたらしている状態です。
エネルギー過剰な人の体内に熱がこもったイメージで覚えると良いでしょう。
寒邪により、臓腑の陽気が不足し冷えの症状がでます。風邪の初期にゾクゾクする寒気のイメージを持つと良いでしょう。
便秘ではなく、泥状便の症状が見られます。
陽気が不足しているために、体が冷える症状です。クーラーにあたり過ぎや、アイスやかき氷など冷たいものの食べ過ぎなどでも、起こります。
体の栄養や体液、血液などが不足しているために、熱くなる状態をいいます。
更年期症状でのほてりや、糖尿病などが当てはまります。
本症例は、この虚熱証となりますが、便秘は、大腸に熱邪が停滞する為水分が飛び便が硬くなる、熱秘の症状です。