あん摩マッサージ指圧師の過去問
第29回(2021年)
午前 問40

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問題

あん摩マッサージ指圧師国家試験 第29回(2021年) 午前 問40 (訂正依頼・報告はこちら)

脳波検査により診断可能な疾患はどれか。
  • 認知症
  • てんかん
  • 統合失調症
  • アスペルガー症候群

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は2です。

脳波検査は脳神経細胞の活動による電位変化を、計器により増幅させ、その振れを記録して脳の機能を測る検査です。

脳機能評価やてんかんの検査に有効で、脳死判定では必須項目となります。

1、認知症とは、一度発達した脳の機能が、神経細胞の変性・脱落によって低下し、生活に支障をきたした状態です。

認知症では認知機能検査が主な診断方法です。段階的に進行する特発性のアルツハイマー型と脳卒中などの脳疾患による脳血管性認知症型の二つに分かれます。

2、正常な脳波はさざなみ調ですが、てんかん発作が起こる際には、神経細胞があちらこちらで同時に電気を流すため、突発的な振れや乱れなど様々な発作波を表すのが特徴です。脳波検査による診断が可能です。

3、統合失調症は、内因性の精神病です。ストレスや環境の変化、または遺伝的に脳の働きが障害されることで、気力減退や幻聴、支離滅裂な言動など様々な症状が現れます。

似た症状を示す病気は多いですが、統合失調症で脳波異常は示さないため、脳波検査やCT・MRI検査などで他の疾患と判別します。

4、アスペルガー症候群は、自閉症と酷似した発達障害ですが、知的機能や会話に問題がないことが多く、発見が遅くなるため大人の発達障害と言われています。軽度のものは個性と捉えられますが、集団や仲間関係の中において言動の誤解や動作の不器用などが重なると、社会生活の中で適応しづらい場面がみられます。

主に日常生活や発達検査、認知機能検査などで他の発達障害様症状と判別します。

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02

脳波の検査は、
意識障害や、脳腫瘍、てんかん、または脳死の判定などの目的で行われます。

 

意識がはっきりしている時の脳波は、
高い周波数で、揺れ幅の小さい
「低振幅速波」となり、

 

逆に、
眠い時など意識が低下している時の脳波は、
低い周波数で、揺れ幅の大きい
「高振幅徐波」となります。

 

脳波の種類として、
α波(覚醒安静時)
β波(意識集中時)
θ波(浅い眠り)
δ波(深い眠り)
にわけられます。

 

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03

1 .認知症は記憶障害や認知障害、さらには社会生活や職業が困難になる知的能力の低下などが診断基準となります。

判断には NIA-AAやDSM-5などの基準が用いられています。

2 .てんかんは脳の神経細胞の電気的発射によっておきるため、診断基準には脳波検査が重要であり、正答となります。

3 .統合失調症の診断基準は以下です。

・特徴的症状(妄想・幻覚・解体した会話、緊張病性の行動、陰性症状)

・社会的または職業的機能の低下

・障害の持続が6ヶ月続く

また、判断にはDSM-5の基準が用いられています。

4 .アスペルガー症候群の診断基準は以下です。

・対人的相互反応における持続的欠陥があること。

・行動や興味、活動が限定された反復的な様式が2つ以上あること。

・社会的相互関係における質的異常を認めること。

・発達に応じて、対人関係や学業的・職業的な機能が障害されていること。

DSM-5における「自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害(ASD)」の基準が用いられています。

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