あん摩マッサージ指圧師の過去問 第29回(2021年) 午後 問13
この過去問の解説 (3件)
1、顔面紅潮・・・×
悪寒は「表寒」、顔面紅潮は「表熱」に分類されるので、同時に見られることはありません。
2、五更泄瀉・・・×
五更は夜明け前、泄瀉は下痢のことで、五更泄瀉とは夜明け前に起こる下痢のことを指します。脾腎の陽虚により水湿停滞、運化作用の低下が起こります。
3、沈脈・・・×
沈脈とは、脈位が深く、しっかりと押さえないと触れない脈のことです。この脈状の時はかぜにかかりやすい状態にあり、問題文のかぜ症候群の症状を呈した状態での脈状は「浮脈・緊脈」となります。
4、上背部のこわばり・・・○
悪寒、頭痛、無汗はかぜ症候群の症状であり、上背部のこわばりを併発することが多いです。漢方薬のうち葛根湯を選択する時の諸症状です。
朝から急に悪寒、頭痛、無汗を呈したとのことから、
表寒証であることが疑われます。
顔面紅潮は、運動や気温の上昇などではない、
何らかの要因によって顔面が赤くなることです。
五更泄瀉は、明け方頃にみられる下痢で、
脾腎陽虚の特徴的な症状です。
沈脈は、強く押さえるとはっきりわかる脈で、
裏証などの際にみられます。
上背部のこわばりは、
寒邪の侵入から生じている可能性があり、
これが正解であると考えられます。
表寒証は、寒邪の侵入によるものと考えられます。
症状から鑑みて、悪寒は表証でかつ外邪、主に風寒の邪が侵襲したことによって引きおこされた頭痛であると考えられます。
また、無汗ということは、熱症状のまだでていない、風邪の初期症状だといえるでしょう。
顔面紅潮は、熱証であり症状からは伴っているとは言えません。
五更泄瀉は、脾腎陽虚によって起こるものが多く、症状に適しているとは言えません。
沈脈は、裏証であり、表証である今の状態から現れるとは言えません。
上背部のこわばりは、寒邪の凝滞性によって太陽経の経絡上に現われやすい症状であり、最も考えられるため、正答となります。
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