あん摩マッサージ指圧師の過去問
第29回(2021年)
午後 問39

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問題

あん摩マッサージ指圧師国家試験 第29回(2021年) 午後 問39 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文で示す症例に対する治療プログラムとして最も適切なのはどれか。

「70歳の男性。主訴は労作時の息切れ。胸郭の前後径が増加し、口すぼめ呼吸がみられる。昨年まで喫煙歴あり。」
  • 呼吸補助筋の機能回復には胸鎖乳突筋の緊張緩和が重要である。
  • 呼吸法は呼気よりも吸気に時間をかけるよう指導する。
  • 呼吸指導は胸式呼吸訓練を中心に行う。
  • 全身持久力トレーニングは上肢の運動を中心に行う。

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この過去問の解説 (3件)

01

「70歳男性、労作時の息切れ」
「胸郭の前後径増加」
「口すぼめ呼吸」
「喫煙歴あり」
ということから、
COPD(慢性閉塞性肺疾患)
を疑えます。

選択肢1. 呼吸補助筋の機能回復には胸鎖乳突筋の緊張緩和が重要である。

口すぼめ呼吸によって、呼吸補助筋である

胸鎖乳突筋や斜角筋に負荷がかかり

筋緊張が強く出るため、有効となります。

選択肢2. 呼吸法は呼気よりも吸気に時間をかけるよう指導する。

呼吸法は、呼気に時間をかけます。

選択肢3. 呼吸指導は胸式呼吸訓練を中心に行う。

腹式呼吸です。

選択肢4. 全身持久力トレーニングは上肢の運動を中心に行う。

自転車運動などの下肢の運動が中心となります。

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02

正解は1です。

症状から肺気腫の可能性が考えられます。
肺気腫の治療法のひとつとして呼吸訓練や運動リハビリが挙げられます。
肺気腫は呼気が困難になる病気なのでそれを中心に考えます。

各選択肢については、以下のとおりです。

1→胸鎖乳突筋は胸郭を引き上げ、胸郭の前後径を拡大させる働きがある。
これを緩めることにより、胸郭にゆとりをもたらす。

2→呼気に時間をかけてトレーニングします。

3→腹式呼吸を訓練します。

4→上肢の筋力トレーニングは行いますが、持久系では行いません。

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03

事例の男性は、

高齢であること、

主訴は労作時の息切れであること、

胸郭の前後径増加を認めること、

口すぼめ呼吸がみられること、

喫煙歴があることから、

慢性閉塞性肺疾患である可能性があります。

選択肢1. 呼吸補助筋の機能回復には胸鎖乳突筋の緊張緩和が重要である。

慢性閉塞性肺疾患の場合、

呼吸補助筋も働くことが多いため、

その緊張緩和を図ります。

主なものとして、胸鎖乳突筋があげられます。

選択肢2. 呼吸法は呼気よりも吸気に時間をかけるよう指導する。

×

慢性閉塞性肺疾患の場合、

呼吸の際は、吸気よりも呼気に時間をかけるようにします。

選択肢3. 呼吸指導は胸式呼吸訓練を中心に行う。

×

慢性閉塞性肺疾患の方への呼吸指導時は、

腹式呼吸を中心に行います。

選択肢4. 全身持久力トレーニングは上肢の運動を中心に行う。

×

慢性閉塞性肺疾患においては、

運動耐容能改善や動作時息切れ感の軽減に影響するため、

下肢を用いた全身持久力トレーニングが強く推奨されています。

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