あん摩マッサージ指圧師の過去問
第29回(2021年)
午後 問63

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問題

あん摩マッサージ指圧師国家試験 第29回(2021年) 午後 問63 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文で示す症例について、以下の問いに答えよ。

「57歳の男性。主訴は左上肢のしびれ。左前腕橈側から母指にかけてのしびれが続いている。」

主訴の原因で可能性が最も高いのはどれか。
  • 前縦靱帯の肥厚
  • 後縦靱帯の肥厚
  • 椎間関節部の後方への骨棘
  • ルシュカ関節部の後方への骨棘

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この過去問の解説 (3件)

01

左前腕橈側から母趾にかけてのしびれが続いている

とのことから、橈骨神経の障害が疑われます。

選択肢1. 前縦靱帯の肥厚

×

前縦靭帯は椎骨をつないでいる靭帯の1つです。

椎体の前方に位置しているので、

前縦靭帯が肥厚した場合、

神経を圧迫することはないと考えられます。

選択肢2. 後縦靱帯の肥厚

×

後縦靭帯は椎骨をつないでいる靭帯の1つです。

脊柱管の前面にあるので、

肥厚すると、神経を圧迫し、

手足のしびれだけでなく、

運動障害も出てきます。

選択肢3. 椎間関節部の後方への骨棘

×

椎間関節部は、

脊柱管の横にあるので、

後方に骨棘があっても神経を圧迫しないものと考えられます。

選択肢4. ルシュカ関節部の後方への骨棘

橈骨神経の神経根は第5、6頸椎です。

ルシュカ関節部は、

第3〜7頚椎にある関節です。

その後方に向かって骨棘ができ、

神経を圧迫すると考えられます。

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02

ルシュカ関節とは、
C3・4・5・6・7の椎体の両側にある鈎状突起と、その上の椎体との関節部分をいいます。

非常に動きが小さいので、半関節と言われていますが、

このルシュカ関節は、

加齢や機械的な刺激によって、骨棘などの変形が生じやすく、
頸椎症性脊髄症や、頸椎症性神経根症となります。

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03

正解は4です。

この中で特に脊髄を圧迫してしまうのは後縦靱帯の肥厚とルシュカ関節部の後方への骨棘です。
症状が片側に現れていることから、圧迫部位が神経根であることが予想できます。
神経根がある椎間孔へ圧迫をかけるのは、ルシュカ関節の骨棘となります。

各選択肢については、以下のとおりです。

1→椎体の前側の靭帯

2→椎体の後側の靭帯

3→関節突起による上下の椎体の関節

4→上下の椎体の関節。頸椎のみにある。

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