あん摩マッサージ指圧師の過去問
第29回(2021年)
午後 問65

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問題

あん摩マッサージ指圧師国家試験 第29回(2021年) 午後 問65 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文で示す症例について、以下の問いに答えよ。

「32歳の男性。朝起きると顔の右半分が動かしにくい。眉毛を上げたり目を閉じたりする動作が鈍く、口角から水がもれる。顔に痛みや発疹はない。」

本疾患について正しいのはどれか。
  • 中枢神経の障害である。
  • 柳原法で評価する。
  • 風疹ウイルスが原因となる。
  • 進行すると咀嚼運動ができない。

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この過去問の解説 (3件)

01

顔の右半分が動かしにくい、

眉毛をあげたり目を閉じたりする動作が鈍い、

口角から水がもれる、

との様子から、

顔面神経麻痺であることが考えられます。

選択肢1. 中枢神経の障害である。

×

中枢神経の障害である場合は、

意識障害や、手足の麻痺、

呂律がまわりにくくなるなどの症状が出てきます。

選択肢2. 柳原法で評価する。

柳原法は、40点法とも呼ばれ、

顔面神経麻痺の部位評価法です。

選択肢3. 風疹ウイルスが原因となる。

×

顔面神経麻痺の原因の1つに、

ヘルペスウイルスがありますが、

事例の場合、痛みや発疹がないことから、

原因としては否定できます。

妊娠初期に風疹ウイルス感染すると、

目や心臓などに障害を持つ場合があります。

また、大人が感染すると関節痛を伴う場合があります。

選択肢4. 進行すると咀嚼運動ができない。

×

顔面神経麻痺は、

咀嚼運動に影響することはほとんどありません。

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02

本症例は、顔面神経麻痺の症例となります。

 

中枢性のものと、末梢性のものがあり、
中枢性の症状では、麻痺するのは、顔面下部のみで、顔面上部の運動麻痺がみられないという特徴があります。
これは、顔面上部が右脳と左脳による二重支配を受けているため、一側の脳障害が生じても、反対側によって動作が可能となるためです。

脳血管障害などによって発症しますが、顔面神経麻痺のほとんどは、末梢性です。

 


一方、末梢性の症状は、

ウイルス性のラムゼイハント症候群やベル麻痺や、
腫瘍性のもの、外傷性のものなどがあります。
 

選択肢2. 柳原法で評価する。

柳原40点法といって、顔面の各部の表情を10種類に分けて評価する主観的評価方法となります。

 

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03

正解は「柳原法で評価する。」です。

顔面神経麻痺が発生しています。

選択肢の中では「柳原法で評価する。」が適切です。

柳原法で神経麻痺の原因が何にあるかを判別していきます。

各選択肢については、以下のとおりです。

選択肢1. 中枢神経の障害である。

中枢系でも起きるが、主に末梢神経障害です。

選択肢2. 柳原法で評価する。

選択肢3. 風疹ウイルスが原因となる。

発疹の症状が伴ってきます。

選択肢4. 進行すると咀嚼運動ができない。

咀嚼能力は維持されます。

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