あん摩マッサージ指圧師の過去問
第29回(2021年)
午後 問66

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問題

あん摩マッサージ指圧師国家試験 第29回(2021年) 午後 問66 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文で示す症例について、以下の問いに答えよ。

「32歳の男性。朝起きると顔の右半分が動かしにくい。眉毛を上げたり目を閉じたりする動作が鈍く、口角から水がもれる。顔に痛みや発疹はない。」

障害筋と治療穴の組合せで正しいのはどれか。
  • 眼輪筋 ―――― 頭維
  • 皺眉筋 ―――― 攅竹
  • 口輪筋 ―――― 大迎
  • 大頬骨筋 ――― 聴宮

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この過去問の解説 (3件)

01

顔の右半分が動かしにくい、

眉毛をあげたり目を閉じたりする動作が鈍い、

口角から水がもれる、

との様子から、

顔面神経麻痺であることが考えられます。

選択肢1. 眼輪筋 ―――― 頭維

×

眼輪筋は、眼瞼を閉じるときに働く筋で、

顔面神経が支配しています。

「頭維」は、側頭筋に効果があるとされています。

眼輪筋に作用するものとしては「太陽」などがあります。

選択肢2. 皺眉筋 ―――― 攅竹

皺眉筋は、額にしわを寄せたり、

眉をひそめたりするときに働く筋で、

顔面神経が支配しています。

「攅竹」は、皺眉筋などに効果があるとされています。

選択肢3. 口輪筋 ―――― 大迎

×

口輪筋は、

唇を閉じたり、前に突き出したりするときにはたらく筋で、

顔面神経が支配しています。

「大迎」は、広頸筋、咬筋に効果があるとされています。

口輪筋に関与するものとしては、頬車などがあります。

選択肢4. 大頬骨筋 ――― 聴宮

×

大頬骨筋は、顔面神経支配の筋で、

口角を上外側に引き上げる働きをします。

「顴髎」などが関与しています。

「聴宮」は顎関節などに関与している経穴です。

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02

本症例は、顔面神経麻痺の症例となります。

 

中枢性のものと、末梢性のものがあり、
中枢性の症状では、麻痺するのは、顔面下部のみで、顔面上部の運動麻痺がみられないという特徴があります。
これは、顔面上部が右脳と左脳による二重支配を受けているため、一側の脳障害が生じても、反対側によって動作が可能となるためです。

脳血管障害などによって発症しますが、顔面神経麻痺のほとんどは、末梢性です。


一方、末梢性の症状は、

ウイルス性のラムゼイハント症候群やベル麻痺や、
腫瘍性のもの、外傷性のものなどがあります。

 

本問題は、

障害筋と治療穴の組み合わせということですが、
経穴の位置のある筋肉と照らし合わせれば解答できる問題です。

 

選択肢1. 眼輪筋 ―――― 頭維

頭維は側頭筋です。

選択肢2. 皺眉筋 ―――― 攅竹

正解です。

選択肢3. 口輪筋 ―――― 大迎

口輪筋と大迎は離れています。

大迎は、咬筋です。

選択肢4. 大頬骨筋 ――― 聴宮

聴宮は、筋肉上にはありません。

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03

正解は2です。

顔面神経麻痺の症状です。
組み合わせがその筋に対応する経穴かどうかの問題です。

各選択肢については、以下のとおりです。

1→頭維―前頭筋

2→攅竹―眼輪筋、前頭筋、皺眉筋

3→大迎―広頸筋、咬筋

4→聴宮―対応する筋なし

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