問題
「35歳の男性。5か月前から左腰下肢に痛みがあり、腰椎椎間板ヘルニアと診断されている。患側の母趾伸展力の低下がみられるが、膝蓋腱反射とアキレス腱反射は正常。」
陽性となる可能性が最も高い徒手検査はどれか。
腰椎椎間板ヘルニアとの診断で、
主訴は左腰下肢の痛みがあり、
患肢の母趾伸展力低下、
膝蓋腱反射およびアキレス腱反射は正常
とのことから、
長母趾筋の障害が考えられます。
また、第4腰椎と第5腰椎間で
椎間板ヘルニアを生じている可能性が考えられます。
○
ブラガードテストは、
椎間板ヘルニアや坐骨神経痛の際に行われるテストです。
下肢伸展挙上テストのあと、
痛みが出たところから、5度角度を下げた状態で、
足関節を背屈させます。
痛みやしびれが増強すると、陽性と判断されます。
×
パトリックテストは、
股関節や仙腸関節に
痛みを生じる病態がないかどうかを調べるテストです。
仰臥位をとり、
患側の足背を反対側の膝蓋骨に乗せて膝を押さえたときに
患側の鼠径部に痛みが出れば陽性となります。
×
ニュートンテストは、
仙腸関節障害の鑑別のために行われるテストです。
下記の3つを実施し、2つ以上で仙腸関節部に痛みを生じる場合、
陽性となります。
・被検者は腹臥位、両手掌で仙骨下部を圧迫する
・被検者は背臥位、左右の上前腸骨棘を近づけるように圧迫する。
・被検者は背臥位、左右の上前腸骨棘を引き離すように圧迫する。
×
大腿神経伸展テストは、
椎間板ヘルニアの際にも行われますが、
腰部神経根症状の有無を確認するための検査です。
被検者は腹臥位をとり、
一方の手で仙骨部を固定し、
他方の手で足部を持ち、ゆっくり膝関節を屈曲させます。
股関節部から大腿前面にかけての放散痛があれば陽性となり、
大腿神経、またはL2~L4付近の神経根の障害が疑われます。
正解は1です。
椎間板ヘルニアによる拇趾伸展力低下で坐骨神経の圧迫が考えられます。
L5レベルの障害ですが膝蓋腱反射は正常です。
L5の障害を確認するテストが1になります。
各選択肢については、以下のとおりです。
1→坐骨神経(L5)のテスト
2→股関節のテスト
3→仙腸関節のテスト
4→大腿神経(L4)のテスト