あん摩マッサージ指圧師の過去問 第30回(2022年) 午前 問37
この過去問の解説 (3件)
月経にともなう疾患の問題です。
「原発性無月経」は 18 歳を迎えても初経の起こらないものです。
原因として染色体異常や女性器が正常に成長しないなどがあります。
「続発性無月経」はこれまであった月経が3か月以上停止したものです。
原因として視床下部や甲状腺などの内分泌系異常や薬剤の影響、妊娠・授乳中も続発性無月経になります。
子宮頸がんは月経には直接影響しません。
「過多月経」は1回の生理期間の出血量が多くなっている状態です。
「原発性月経困難症」は月経困難症のうち骨盤内に器質的疾患がないものをいいます。
月経とともに下腹部周りの張り・痛み、頭痛、めまい、立ちくらみなどが出ます。胸痛は主な症状ではありません。
正解は、原発性無月経の原因として子宮の形態異常がある。です。
月経異常としては
・思春期早発症、早発閉経(初経や閉経の時期に異常がある)
・頻発月経、稀発月経、無月経(月経周期異常)
・過多月経、過少月経(月経長の異常)
・月経困難症(月経に随伴する症状が強い) などが挙げられます。
無月経と月経困難症では原発性と続発性に分類されます。
<無月経>
原発性:正常な成長が見られるのに15歳までに初経が見られない状態を言います
続発性:月経周期がきちんと確立された状態から半年以上、もしくは月経周期が3周期以上ない状態を言います。
<月経困難症>
原発性:子宮などに痛みの原因となる器質的異常や疾患が見られない状態を言います。
続発性:痛みの原因となる器質的異常や疾患が見られる状態を言います。
無月経の原因として挙げられるのは、妊娠・過度の運動や摂食障害などの視床下部性無月経・服薬・授乳などが挙げられます。
他にも先天的な子宮の形態異常が見られる場合無月経を起こしますが、この場合の無月経は原発性無月経のみに見られます。
続発性無月経の場合、原因となるほとんどは過度なダイエットや摂食障害などの視床下部性無月経です。
視床下部性無月経とは、減量や過度なダイエット、ストレスなどによってGnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)の分泌異常(分泌不全)が生じ、LH(黄体形成ホルモン)の分泌に異常をきたしたことによって稀発月経から無月経へとなった状態を言います。
この場合、形態異常や先行する疾患などはありません。
子宮頸がんで見られる症状としては、不正出血などが見られます。
過多月経とは経血量が異常な状態で、一回の月経周期の出血量が150ml以上ある状態をさします。他にもレバー状の血餅が見られることもあります。
原因としては、ホルモンバランスの異常や子宮筋腫、子宮線維症などが見られます。
月経周期が長い状態は”過長月経”と言い、一回の月経が8日以上続く状態を言います。
月経困難症では原発性も続発性も共通で下腹部・腰の痛みが見られます。
他にも悪心や嘔吐が見られることもあります。
これらの症状は月経終了とともになくなります。
月経異常の問題は出題率がさほど高くありませんが、比較的覚えやすい部分ではあります。
正常な月経周期やホルモン分泌、婦人科疾患も合わせて学習しておくことでより理解を深めることができます。頑張りましょう。
正解は「原発性無月経の原因として子宮の形態異常がある。」です。
○
18歳を迎えても初経がおこらない場合を、
原発性無月経といいます。
その原因には、
内分泌系の異常や子宮の形態異常などがあります。
×
続発性無月経とは、
それまであった月経が、
3ヶ月以上停止している状態をいいます。
内分泌系の異常や、
子宮の疾患などが原因と考えられます。
子宮頸癌では、
月経以外にも出血がみられることがあります。
×
過多月経とは、
月経のときの出血量が多く、150ml以上の場合をいいます。
月経周期が39日以上と長い場合は、稀発月経といいます。
×
原発性月経困難症は、
原因となる疾患がない月経困難症のことをいいます。
月経時に下腹部や腰の痛みなどの症状がみられ、
月経が終わると症状はなくなります。
解説が空白の場合は、広告ブロック機能を無効にしてください。
また、広告右上の×ボタンを押すと広告の設定が変更できます。