あん摩マッサージ指圧師の過去問 第30回(2022年) 午前 問36
この過去問の解説 (3件)
アスベスト(石綿)は昭和50年に使用禁止になるまで建物の断熱材として使用されてきました。
とても細かい繊維なので飛び散り吸い込むことで肺がん、石綿肺、中皮腫を引き起こすとされています。
「中皮」とは胸膜、心膜、腹膜などの表面を覆う細胞層のことです。
アスベストは肺を覆う胸膜の中皮細胞に刺激を何十年と与え続け胸膜中皮腫を引き起こす原因となります。
曝露とは、毒性のある化学物質をさまざまな事由で体内に侵入することを言います。
アスベストとは石綿ともいい、ケイ酸塩鉱物の一種です。
これは繊維がとても細いため、研磨機や切断機などの使用で繊維が飛びやすく、飛んだ繊維を吸引してしまう可能性がある物質です。
皮膚癌とは、慢性的な皮膚への刺激によって、自己修復が追いつかなかった細胞が生体側の制御を無視した、自立した細胞を自己増殖するような癌細胞となると皮膚癌となります。
原因となる慢性的な皮膚の刺激は紫外線の曝露・放射線治療・ウイルス感染・火傷などが挙げられます。
膀胱癌は尿路上皮から発生する癌で、50代以降の発病率が高い特徴があります。
原因としては、喫煙や染料などに含まれる化学物質などが原因とされています。
白血病は、造血幹細胞もしくは増結前駆細胞が腫瘍化した白血病細胞が骨髄・末梢血液で無制限に増殖し、正常の造血機能を障害する病態を言います。
成因は放射線・ウイルス(ヒト成人T細胞白血病ウイルス:成人T細胞白血病の原因)・発癌物質・遺伝などが挙げられます。
中皮腫とは中皮細胞から発生する悪性腫瘍のことを言います。
原因としてはアスベストの吸引が大きく影響されており、吸引から発症までの潜伏期間は長い年月がかかるとされています。
体や環境に大きく影響を及ぼす化学物質は、さまざまな体の変化をもたらし生体に変化を生みます。
アスベストのような特徴的な物質は落とさないように覚えておくと問題は解きやすくなります。
それに加えて発症する病気の病態生理をきちんと把握しておくことで、知識の幅が広がりやすく覚えやすくなります。頑張りましょう。
正解は中皮腫です。
×
皮膚癌は、紫外線への曝露などが原因で生じるといわれます。
×
膀胱癌は、
タバコの他、ナフチラミン、ベンチジンなどの化学物質に
曝露することで生じやすくなるといわれます。
×
白血病は、
大量の放射線に被曝することで生じやすくなるといわれています。
○
中皮腫は、
アスベストの暴露によって罹りやすいといわれています。
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