あん摩マッサージ指圧師の過去問 第30回(2022年) 午前 問62
この過去問の解説 (2件)
肝硬変の所見とは、
・くも状血管腫
・女性化乳房
・手掌紅斑
・黄疸や掻痒感
・腹水、四肢の浮腫
・食道、胃静脈瘤
・肝性脳症による羽ばたき振戦や、異常行動、意識障害
などがみられます。
間違いです。
眼球突出はバセドウ病の所見です。
間違いです。
静止時振戦は、パーキンソン病に特徴的な所見です。
間違いです。
中心性肥満は、クッシング症候群に特徴的な所見です。
正解です。
女性化乳房は、思春期や高齢期の男性にみられる女性ホルモンのバランスの乱れにより発症しますが、
肝硬変由来の女性化乳房は、肝臓で女性ホルモンが分解されなくなるために、女性ホルモンが蓄積し、症状が発症したものです。
正解は 女性化乳房 です。
肝硬変は肝臓全体が偽小葉(肝小葉の中に生きた細胞がいなくなり、死んだ細胞ばかり入っている状態)と呼ばれる再生結節によって置き換わった状態であり、種々の慢性肝疾患の終末の病態のことです。
肝硬変の多くはB型・C型肝炎ウイルス感染によるものであり、慢性肝炎から移行したものです。
主な病態は慢性の肝機能不全と門脈圧亢進症です。
☆この二つの病態をきちんと把握しておくと症状の理解がしやすくなります。
症状は、症状をともなわない代償期と症状を伴う非代償期に分けられます。
〜代償期〜
・クモ状血管拡張・手掌紅斑・女性化乳房・肝性口臭など
〜非代償期〜
・黄疸・腹水・食道動脈瘤破裂・出血傾向(鼻血・歯肉出血・紫斑など)・肝性脳症(羽ばたき振戦・昼夜逆転・失見当識)など
診断として用いられる主な所見は
・肝細胞障害の所見(AST.ALT上昇・アルブミン低下・プロトロンビン時間延長)
・門脈圧亢進症の所見(腹水・汎血球減少)
・特徴的な画像所見(超音波検査による結節状肝・脾腫)など
治療は、消化管出血、肝癌、肝不全、感染症に対して予防と治療をおこなっていきます。
肝不全に対しては腹水のコントロールや便秘の予防、アンモニアの酸性・吸収の抑制などをおこなっていきます。
緊満した腹水は感染を起こしやすく、急激に敗血症性ショックに陥ることもあるので注意が必要です。
食道動脈瘤は出血しない限りは無症状ですが、破裂すると大吐血の原因なります。
吐血の予兆として少量の下血(黒色便)が先行することがあります。
3大死因は消化管出血・肝細胞癌・肝不全であり、感染症も多いです。
*肝硬変は様々な医療資格の国家試験への出題率も高く、非常に重要な疾患です。
覚えておきたいところが多々あります。
しかし一見難しそうなところも正常な肝臓の機能と働きを知っておくことで、病態についてより理解することができます。
解剖学・生理学ともに見直しておくといいでしょう。根気強く頑張りましょう!
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