あん摩マッサージ指圧師の過去問
第30回(2022年)
午後 問33
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問題
あん摩マッサージ指圧師国家試験 第30回(2022年) 午後 問33 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文で示す症例で、デルマトームを考慮した施術部位として最も適切なのはどれか。
「45歳の男性。右下肢痛で近医を受診してMRI 検査にて腰椎椎間板ヘルニアと診断された。右足関節と右母指の背屈力低下がみられる。膝蓋腱反射とアキレス腱反射は正常。」
「45歳の男性。右下肢痛で近医を受診してMRI 検査にて腰椎椎間板ヘルニアと診断された。右足関節と右母指の背屈力低下がみられる。膝蓋腱反射とアキレス腱反射は正常。」
- 衝陽
- 陰陵泉
- 委中
- 風市
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この過去問の解説 (3件)
01
腰部椎間板ヘルニアと障害される神経根は、
L3-4ヘルニアでは、L4(大腿四頭筋、膝蓋腱反射低下)
L4-5ヘルニアでは、L5(前脛骨筋、長趾伸筋、長母指伸筋)
Ⅼ5-S1ヘルニアでは、S1(下腿三頭筋、長母指屈筋、長趾屈筋、アキレス腱反射低下)
が障害されます。
本症例では、膝蓋腱反射とアキレス腱反射は正常ということから、L4-5ヘルニアと推測できるので、
「衝陽」を選択します。
衝陽は、足の第2中足骨底部と中間楔状骨の間の足背動脈拍動部です。
陰陵泉は、脛骨内縁の上部、脛骨内側縁に沿って指を滑らせていって、止まるところです。
委中は、肘窩横紋の真ん中です。
風市は、直立して腕を伸ばして中指があたる、腸脛靭帯の後方陥凹部です。
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02
正解は衝陽です。
M R I検査で腰椎椎間板ヘルニアと診断され、
右足関節と右母指の背屈力低下がみられ、
膝蓋腱反射とアキレス腱反射が正常であることから、
L4−5のヘルニアであることが考えられます。
足関節の背屈に中心となって作用する筋は、前脛骨筋です。
深腓骨神経(L4、L5、S1)に支配されています。
また、足関節の背屈に補助的に作用し、
母指の背屈に作用する筋は長母指(趾)伸筋です。
深腓骨神経(L5)に支配されています。
○
衝陽は、足背にあり、第2・第3中足骨底間の前、陥凹部に取ります。
デルマトームを参照すると、L5の領域にあります。
×
陰陵泉は、脛骨内側上顆の下縁と脛骨内側縁との接点の直後に取ります。
デルマトームを参照すると、L4の領域にあります。
×
委中は、膝窩横紋の中央に取ります。
デルマトームを参照すると、S2の領域にあります。
×
風市は、立位して上肢を下垂したとき、大腿外側に中指頭があたるところで、
腸脛靱帯と大腿二頭筋の間に取ります。
デルマトームを参照すると、L2の領域にあります。
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03
まず、この症例はどの脊髄神経に問題が生じているのかを明らかにします。
足の背屈に作用する下腿前面の筋(伸筋群)のうち、
母指に停止しているのは長母指伸筋と前脛骨筋です。
これらの筋の走行範囲を考慮すると、L5神経に問題が生じていることがわかります。
よって、L5の支配領域上にある1.衝陽が正解となります。
各選択肢の経穴の位置と、どの脊髄神経の支配領域なのかを確認します。
1.衝陽→足背。第二中足骨底部と中間楔状骨の間。L5支配領域。
2.陰陵泉→下腿内側。脛骨内側顆下縁、脛骨内側が接する陥凹部
L4支配領域。
3.委中→膝後面。膝窩横紋、中点。S2支配領域。
4.風市→大腿部外側。直立で腕を下垂し、手掌を大腿部につけて、
中指の先端があたる位置。L2支配領域。
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