あん摩マッサージ指圧師の過去問
第30回(2022年)
午後 問37

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問題

あん摩マッサージ指圧師国家試験 第30回(2022年) 午後 問37 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文で示す症例で、障害されている神経への局所治療穴として適切なのはどれか。
「60歳の女性。片側の額にしわを寄せることができず、口角が下がり、食べ物がこぼれる。」
  • 百会
  • 天柱
  • 翳風
  • 風池

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この過去問の解説 (3件)

01

本症例は、顔面神経麻痺です。

顔面神経麻痺の局所治療穴としては、翳風が有名です。
 

選択肢1. 百会

百会は、頭部の頂点の正中に位置し、頭痛や耳鳴り、めまい、鼻づまりなどを主治とします。
 

選択肢2. 天柱

天柱は、頚部後部の後頭部の下の膀胱経の経穴です。

頭痛や、鼻づまり、喉の腫れや痛み、頚部の筋緊張や肩こりなどが主治となります。
 

選択肢3. 翳風

翳風は、乳様突起下の陥凹部に位置し、耳たぶの裏に隠れています。

顔面神経麻痺、耳鳴り、歯痛、顎関節症、頬の腫れなどが主治となります。

よって、これを選びます。

選択肢4. 風池

風池は、翳風の並びにある胆経の経穴です。

風邪が集まる場所で、頭痛、めまい、頚部のこわばり、鼻づまり、風邪症状、耳鳴り、眼科疾患などを主治としています。

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02

正解は翳風です。

片側の額にしわを寄せることができず、

口角が下がり、食べ物がこぼれることから、

顔面神経麻痺であることが考えられます。

好発年齢は40歳代以降です。

選択肢1. 百会

×

百会は、前髪際を5寸入り、正中線上に取ります。

頭痛やめまい、高血圧などに用いられます。

選択肢2. 天柱

×

天柱は瘂門穴の外、1寸3分に取ります。

後頭痛、項強、肩こり、寝違えに用いられます。

選択肢3. 翳風

翳風は、耳垂の後方で、乳様突起と下顎枝の間、陥凹部に取ります。

顔面神経麻痺、聴覚神経障害などに用いられます。

症例では、顔面神経麻痺であることが考えられるため、

翳風が適切な治療穴であると考えられます。

選択肢4. 風池

×

風池は、乳様突起下端と瘂門穴との中間で、後髪際陥凹部に取ります。

頭痛、めまい、眼の疾患、感冒、発熱、肩こりに用いられます。

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03

問題文は、末梢性顔面神経麻痺の症例です。

よって、正解は顔面神経上にある3番の翳風です。

選択肢の各経穴に関係する神経は、次の通りです。

1.百会 → 大後頭神経・眼神経

2.天柱 → 副神経・頸神経叢の枝

4.風池 → 副神経・頸神経叢の枝

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