あん摩マッサージ指圧師の過去問 第31回(2023年) 午前 問39
この過去問の解説 (3件)
肺の音には、
呼吸音と副雑音の2種類があります。
呼吸音の異常として、
呼吸音の減弱、消失、呼気延長などがあり、
呼吸音の減弱や消失では、
気胸、気道狭窄、慢性閉塞性肺疾患、呼吸筋疾患、肺水腫、胸水、などを疑えます。
また、呼気に延長のある場合には、
気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患などの疑いがあります。
一方、副雑音には、
ラ音と、胸膜摩擦音があり、
ラ音には、
水泡音、捻髪音、笛音、いびき音
など様々な音があります。
呼吸音の異常は、呼吸器系の疾患に伴って聴取されます。呼吸音を聴取する部位として、気管呼吸音、気管支呼吸音、肺胞呼吸音などがあります。
肺癌は早期では無症状のことが多いため、呼吸音の変化は乏しい場合があります。
気胸とは、胸膜が破れて胸腔に空気が貯留した状態のことです。
緊張性気胸とは、気胸の一種で、患側の胸腔内圧が異常に上昇した結果、患側の肺の虚脱(肺がしぼむこと)や静脈還流障害による心拍出量の低下などをきたしている状態を指します。
胸腔に空気が貯留することで換気量が低下し、聴診器による呼吸音の減弱が確認されるため、これが正解であると考えられます。
気管支喘息は、慢性的な炎症により、気道が狭くなることにより生じます。気道が狭くなるため、聴診では笛音が聞こえます。
肺血栓塞栓症は、静脈中にできた血栓が肺動脈でつまり、低酸素血症をきたした状態のことです。突然の呼吸困難、頻呼吸、胸痛などがみられますが、循環器の病態であるため、呼吸音といった所見は乏しいことが考えられます。
疾患ごとに呼吸音の減弱・消失、または増強などを整理することが大切です。
呼吸音が減弱する原因は、気胸や胸水などにより、換気量が低下することなどです。
呼吸音が増強する原因は、炎症により換気量の増大や肺胞胸壁への伝播亢進などです。
呼吸音は、呼吸に際して発生する胸部の音です。
早期肺癌では、症状が伴わないことも多く、
呼吸音が変化するまでに至っていない場合があります。
緊張性気胸は、
空気が漏れて胸腔内に貯留することにより生じます。
患側の呼吸音が減弱、消失しますので、
これが正解であると考えられます。
気管支喘息では、
気道が狭くなることにより生じる、
笛音といわれる、笛のような音が聞こえます。
肺血栓塞栓症では、
血栓が肺動脈を閉塞するため呼吸状態が悪化し、
呼吸困難や胸痛などの症状がみられます。
呼吸の症状がみられますが、
呼吸音の変化は少ないことも特徴的です。
呼吸音は生理的に生じる音で、
状態によっては、減弱、消失などの変化がみられます。
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