問題
徒手検査で陽性となるのはどれか。
下腿外側のしびれはL5/S1神経根障害で生じます。また、足関節背屈力の低下はL5神経根の障害で長趾伸筋などの筋力低下が原因であると考えられます。このことから、本症例は腰部椎間板ヘルニアが疑われます。
ケンプ徴候は脊柱管狭窄症で陽性となります。
パトリックテスは変形性股関節症など股関節の問題をみるものです。
膝関節を伸展位のまま検者が患者の下肢を挙上すると坐骨神経が伸展され、その支配領域に疼痛がでます。70度未満で疼痛が出現するものを陽性とします。なので、これが正解であると考えられます。
大腿神経伸展テストは、膝関節90度屈曲位で股関節を伸展させて大腿前面に痛みが生じるかをみる検査です。陽性では上位(L3)の腰椎椎間板ヘルニアが疑われます。
腰椎椎間板ヘルニアの好発部位は第4腰椎/第5腰椎椎体間と第5腰椎/第1仙椎椎体間です。どの神経根が障害されているのかを把握しましょう。
25歳の男性は、急な腰痛をきっかけに、
左下腿外側のしびれと
左足関節の背屈力の低下がみられるようになりました。
しびれの部位と、筋力低下の様子から、
L5に神経障害を生じていることが考えられます
ケンプ徴候は、腰部椎間板の損傷や
神経根障害を鑑別するテストです。
パトリックテストは、
股関節や仙腸関節の異常を評価するテストです。
下肢伸展挙上テストは、
L4からS1の神経根障害が生じている場合、
陽性となりますので、
これが正解であると考えられます。
大腿神経伸展テストは、
L1からL4の神経根障害が生じている場合、
陽性となります。
徒手検査を実施することにより、
特別な検査器具を用いることなく
運動機能を評価することができます。
「腰痛」「下腿外側のしびれ」足関節背屈力低下」という症状から、
L4,5腰部椎間板ヘルニアの疑いがあるため、
徒手検査としては、
SLR(下肢進展挙上テスト)が当てはまります。
ケンプ徴候は、椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などによる神経根症状が、椎間板の内側なのか、それとも外側にあるのかを鑑別するテスト法です。
もし、選択肢に下肢進展挙上テストが無かったとしたら、これを選ぶでしょう。
パトリックテストは、変形性股関節症の鑑別のテスト法になります。
大腿神経伸展テストとは、L2~4の神経根症状の鑑別診断のためのテスト法で、SLRとは逆のうつ伏せで行うと覚えましょう。
仮に、問題の症例が大腿部の痛みやしびれの場合には、こちらのテスト法が当てはまります。
テスト法の選択問題では、対応する神経根の番号を覚えましょう。
上部腰椎の神経根症状であれば、大腿神経伸展テスト(FNS)
下部腰椎の神経根症状であれば、下肢進展挙上テスト(SLR)となります。