あん摩マッサージ指圧師の過去問
第31回(2023年)
午前 問76
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問題
あん摩マッサージ指圧師国家試験 第31回(2023年) 午前 問76 (訂正依頼・報告はこちら)
「25歳の男性。重い物を持とうとしたときに、急に腰痛が出現し左下腿外側のしびれと左足関節の背屈力の低下がみられた。」
運動療法で強化すべき筋はどれか。
運動療法で強化すべき筋はどれか。
- 大腿四頭筋
- 腹横筋
- 僧帽筋
- 腓腹筋
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この過去問の解説 (3件)
01
20代で重いものを持った際の急性腰痛、下肢症状が生じたことから椎間板ヘルニアが疑われます。また、下腿外側のしびれ、足関節の背屈力の低下からL5神経根の障害が考えられます。
大腿四頭筋では膝関節の動的安定性に関与しています。そのほか、L3神経根障害の場合、大腿四頭筋の筋力低下を伴うことがあります。
腰部の椎間板ヘルニアに対する運動療法として、体幹の安定性を向上させることが目的となります。腹横筋を強化することで腹圧を高め、体幹の安定性を向上させることができるため、これが正解であると考えられます。
僧帽筋は副神経支配であるため、神経根障害による筋力低下は生じにくいと考えられます。
S1神経根障害の場合、腓腹筋の筋力低下を伴うことがあります。
神経根障害により障害される筋肉について考える際は、ミオトームを押さえておきましょう。
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02
25歳の男性は、急な腰痛をきっかけに、
左下腿外側のしびれと
左足関節の背屈力の低下がみられるようになりました。
しびれの部位と、筋力低下の様子から、
L5に神経障害を生じていることが考えられます
大腿四頭筋は、下前腸骨棘、粗線内側唇、
大腿骨前面、粗線外側唇を起始とし、
膝蓋骨、膝蓋靱帯を経て脛骨粗面で停止します。
腹横筋は、第7-12肋軟骨内面、胸腰筋膜、
上前腸骨棘内唇、鼠径靱帯を起始とし、
腹直筋鞘、白線で停止します。
腹横筋には、
腰椎を安定させる作用があり、
運動療法の対象筋として適切であるといえますので、
これが正解であると考えられます。
僧帽筋は、後頭骨の上項線の内側3分の1、外後頭隆起、
項靭帯、C7-T12椎骨の棘突起・棘上靭帯を起始とし、
鎖骨外側3分の1、肩峰、肩甲骨棘で停止します。
腓腹筋は、内側上顆、外側上顆を起始とし、
踵骨腱を経て、踵骨隆起で停止します。
筋については、起始停止のほか、
支配神経についても振り返っておきましょう。
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03
「腰痛」「下腿外側のしびれ」足関節背屈力低下」という症状から、
腰部椎間板ヘルニアの疑いがあるため、
運動療法のターゲットとしては腰部の筋肉となり、腹横筋が当てはまります。
腹横筋は、腹部を覆っている深層筋で、腰部における筋肉のコルセットとも呼ばれていて、
腹横筋を強化することで、腹圧を高めることができるので、より体幹が安定し、腰痛の予防になることが期待できます。
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