問題
本患者への生活指導として誤っているのはどれか。
「82歳女性」「転倒」「大腿骨頸部骨折」
「人工骨頭置換術」
というキーワードの中で、
特に、
「人工骨頭置換術」ということから、術後の禁忌肢位として、
股関節の伸展、内転、外旋や、
股関節を可動域いっぱいまで動かす肢位は禁忌とされています。
厳密には、正座はOKなのですが、正座からのお辞儀や、体育座りまたは、横すわりも脱臼のリスクが大きくなります。
これは、正座をしてはいけないというよりも、畳の上に直に座ったり、寝たりということは、股関節に負荷が大きくかかる動作を伴うので、NGということです。
以上の理由から、寝る時はなるべく布団ではなく、ベッドで、
また、トイレも和式ではなく洋式の方が推奨されます。
人工骨頭置換術には脱臼肢位(後方アプローチの時は股屈曲、内転、内旋位)に留意しなくてはいけません。
立ち上がりを楽にするために手すりを設置するのが有効です。
布団からの立ち座りは股関節に負担がかかるので、ベッドの方が良いです。
正座は股関節が過屈曲となるので避けましょう。なので、これが正解であると考えられます。
筋力強化のために行っているので正しいです。
人工股関節置換術後は股関節に負担のかかりにくい洋式の生活が望ましいとされています。
大腿骨骨頭置換術は、
大腿骨頸部骨折などために損傷した
大腿骨頭を取り除き、
人工のものに置換する手術です。
トイレに手すりを設置すると、
立ち上がりや移動が安定するため、
これは適切な指導であると考えられます。
股関節への負担が減るため、
ベッドを利用するよう指導するのは、
適切であると考えられます。
畳に正座をすると、
置換した人工骨頭が脱臼してしまう場合があり、
生活指導としては適切ではないといえます。
生活指導として誤っているものを選びますので、
これが正解であると考えられます。
筋力や関節可動域の維持・拡大のため、
退院後もリハビリが大切であると考えられます。
机につかまり交互に片足立ちをすることで、
大腿部や殿部などの筋肉強化につながりますので、
生活指導として適切であると考えられます。
大腿骨骨頭置換術後は、
股関節の脱臼を予防できるような環境調整と
リハビリを実施します。