あん摩マッサージ指圧師の過去問
第31回(2023年)
午後 問12

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問題

あん摩マッサージ指圧師国家試験 第31回(2023年) 午後 問12 (訂正依頼・報告はこちら)

経脈病証で「鼻閉、歯痛、のどの痛み、下痢」に対する治療穴はどれか。
  • 偏歴
  • 支正
  • 大鍾
  • 光明

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この過去問の解説 (3件)

01

経脈とは、人体を上下に流れる縦の幹線であり、経絡の基本となるものです。経脈には十二経脈と奇経八脈があります。特に十二経脈の病証は、十二経脈および関係する臓器の機能が失調することにより現れる症状のことを指し、病の所在がどの臓腑、どの経絡にあるかを判断することができます。

選択肢1. 偏歴

偏歴は、手の陽明大腸経の経穴です。

この経脈は人差し指にある商陽から始まり、前腕・上腕の後面外側を通過して上昇し、肩から背中側の肩甲骨を回り再び腹側に戻り、首を通り、あごから降格、鼻の下を通って小鼻のわきにある反対側の迎香に終わります。

この経脈が侵されると、鼻閉、歯痛、首や喉の腫れ・痛み、下痢などがみられますので、これが正解であると考えられます。

選択肢2. 支正

支正は、手の太陽小腸経の経穴です。

手の小指の先にある少沢から始まり、手の甲を通って前腕・上腕の後面を上がり、肩から肩甲骨をめぐって鎖骨のくぼみを通り、あごに沿って頬に上がり、耳の聴宮におります。

この経脈が侵されると、喉の痛み、下顎の腫れ、頚部の運動制限、肩や上腕の激しい痛みなどがみられます。

選択肢3. 大鍾

大鍾は、足の少陰腎経の経穴です。

足の小指から起こり、足裏の勇泉から体表に出て内果の後ろを通って足の内側を上がります。腹部、胸部を上がり、兪府で終わります。

この経脈が侵されると、食欲不振、顔色が黒ずむ、呼吸が苦しくせき込む、血痰を吐く、立ちくらみなどがみられます。

選択肢4. 光明

光明は、足の少陽胆経の経穴です。

目尻にある瞳子髎から起こり、耳の後ろから頭部を回って肩、肩甲骨を通り、胸部、腹部、臀部と下がって足の薬指先の足竅陰に終わります。

この経脈が侵されると、口が苦い、よくため息をつく、側胸部が痛んで寝返りができない、足の外側のほてりなどがみられます。

まとめ

経脈病証は経脈の流れを十分に把握し、通過している経穴やその部位を理解することで、症状をある程度把握することができます。経脈の流れと通過部位をしっかり押さえておきましょう。

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02

経脈は、病邪が侵入すると、

その経脈に関連した、特徴的な病証をあらわします

選択肢1. 偏歴

偏歴は、手の陽明大腸経の経穴です。

鼻閉、歯痛、のどの痛み、下痢などがみられますので、

これが正解であると考えられます。

選択肢2. 支正

支正は、手の太陽小腸経の経穴です。

喉や顎の腫れ、痛みなどがみられます。

選択肢3. 大鍾

大鍾は、足の少陰腎経の経穴です。

食欲不振、立ちくらみなどがみられます。

選択肢4. 光明

光明は、足の少陽胆経の経穴です。

ため息、口苦などがみられます。

まとめ

設問に挙げられている経穴について振り返っておきましょう。

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03

十二経絡の病証としては、各経絡走行上の圧痛以外に、関連病証として、以下の症状があげられます。

肺経の病証

咳、胸悶、胸部の熱感、喘息、息切れ

大腸経の病証

歯痛、鼻出血、便秘

胃経の病証

躁鬱症状、鼻出血、消化不良、発熱、嘔吐

脾経の病証

胃もたれ、腹部膨満感、嘔吐、下痢、倦怠感

心経の病証

口喝、不眠、動悸

小腸経の病証

難聴、喉の痛み

膀胱経の病証

背部痛、眼球痛、鼻出血、痔、精神疾患、残尿感、排尿困難

腎経の病証

食欲不振、顔色が黒い、呼吸が苦しい、血痰、めまい、不安感、倦怠感、浮腫、腰痛

心包経の病証

胸悶、顔面紅潮、精神不安

三焦経の病証

咽頭炎、多汗、浮腫

胆経の病証

口が苦い、ため息、顔色が悪い、皮膚乾燥

肝経の病証

嘔吐、下痢、口喝、顔色が黒い、筋痙攣、腰痛、怒りっぽい

以上を踏まえて、

本問題では、歯と鼻の症状がみられることから、大腸経と特定できます。

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