あん摩マッサージ指圧師の過去問
第31回(2023年)
午後 問35
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問題
あん摩マッサージ指圧師国家試験 第31回(2023年) 午後 問35 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文で示す症例で、筋力低下がみられる筋への局所治療穴として最も適切なのはどれか。
「36歳の男性。主訴は腰下肢痛。近医で腰椎椎間板ヘルニアによるL5神経根障害と診断された。」
「36歳の男性。主訴は腰下肢痛。近医で腰椎椎間板ヘルニアによるL5神経根障害と診断された。」
- 委中
- 承筋
- 伏兎
- 豊隆
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この過去問の解説 (3件)
01
神経根障害ではデルマトーム領域に沿った感覚障害、ミオトーム領域に沿った筋力低下がみられます。L5神経根障害では、主に前脛骨筋、長母趾伸筋、長趾伸筋などの筋力低下がみられます。
委中は足の太陽膀胱経の経穴であり、膝窩横紋の中点にあります。この経穴に関連した解剖学的構造では、脛骨神経や足底筋などがあげられます。
承筋は足の太陽膀胱経の経穴であり、腓腹筋の両筋腹の間、膝窩横紋の下方5寸にあります。この経穴に関連した筋肉は腓腹筋です。
伏兎は足の陽明胃経の経穴であり、大腿前外側、膝蓋骨底外端と上前腸骨棘を結ぶ線上、膝蓋骨底の上方6寸にあります。この経穴に関連した筋肉は大腿直筋です。
豊隆は足の陽明胃経の経穴であり、下腿前面、前脛骨筋の外縁、外果尖の上方8寸にあります。この経穴に関連した筋肉は前脛骨筋、長母指伸筋、長趾伸筋です。この症例では、前脛骨筋や長母趾伸筋、長趾伸筋の筋力低下がみられているため、これが正解であると考えられます。
このような症例問題と治療部位としての経穴を解くためには、疾患ごとに障害されている部位の特定、経穴の位置、関連している筋肉を理解する必要があります。解剖学、各論、経穴をしっかりおさえておきましょう。
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02
本症例の主訴は腰痛ですが、
問題で聞いているのは、
筋力低下がみられる筋ということなので、
L5神経根障害によって筋力低下を起こす筋肉にある経穴を選びます。
L5神経根は、前脛骨筋を支配しているので、筋力低下は前脛骨筋に起こります。
よって、前脛骨筋上にある豊隆を選びます。
因みに、
S1神経根は下腿三頭筋、
L3、L4は大腿四頭筋と覚えると良いでしょう。
厳密には、腰椎の神経支配は筋節として、
L4は大腿四頭筋、前脛骨筋、中殿筋
L5は前脛骨筋、長母指伸筋、長母指屈筋、長・短腓骨筋、中殿筋
S1は長母指伸筋、長母指屈筋、長・短腓骨筋、腓腹筋、中殿筋というように、
椎骨レベルに対して帯状に分布しています。
一方、感覚の皮膚分節としては、
L4が下腿部内側
L5が下腿外側と足背
S1が下腿背側と足底
となります。
デルマトームにおける支配筋と、感覚領域は、図を描いて、イメージで覚えることが大切です。
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03
症例の男性は、腰下肢痛を主訴とし、
腰椎椎間板ヘルニアによるL5神経根障害と
診断されています。
L5神経根障害では、
後脛骨筋の筋力低下が生じることが考えられます。
委中は、足の太陽膀胱経の経穴で、
膝窩横紋の中央にとります。
深部に脛骨神経が走行しています。
承筋は、足の太陽膀胱経の経穴で、
委中の下方5寸にとります。
腓腹筋に関連しています。
伏兎は、足の陽明胃経の経穴で、
膝蓋骨外上角から上方6寸にとります。
大腿直筋や中間広筋と関連しています。
豊隆は、足の陽明胃経の経穴で、
外果の上方8寸、条口の外方の陥凹部にとります。
後脛骨筋に関連していますので、
これが正解であると考えられます。
選択肢に挙げられた経穴の位置を
再度確認しておきましょう。
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