問題
「47歳の男性。半年前から心配事が増えて陽萎となった。食欲不振、倦怠感、動悸を伴う。舌質は淡、舌苔は白、脈は沈細弱を認める。」
心配事による陽萎(ED)とは精の不足により生じ、食欲不振は脾の病証、倦怠感は気虚、動悸は血虚でみられます。
舌質淡は気血不足(気虚・血虚)、舌苔が白は寒証、脈が沈細弱は裏証・血虚・気血両虚が疑われます。以上のことから、心脾両虚が疑われます。
腎陽とは、腎精の一つであり、腎精から化生された原気による推動作用と温煦作用のことです。
瘀血とは、滞った血のことであり、固定痛や刺痛が特徴的です。血虚により血流量が減少し、血が滞るなどで生じます。
気滞により、津液を流通させることができなくなると痰湿が生じ、痰湿が体内に貯留すると熱化して湿熱となります。
この症例は心脾両虚が疑われているため、これが正解であると考えられます。
脾気虚により血を化生することができないことにより、心血が不足すると心脾両虚となります。
「47歳の男性。半年前から心配事が増えて陽萎となった。食欲不振、倦怠感、動悸を伴う。舌質は淡、舌苔は白、脈は沈細弱を認める。」
「陽萎」とは、EDの事で、臓腑の病証としては、肝か、腎か、脾の症状と考えられます。
「食欲不振」は、脾の運化作用の減退とみなせます。
「倦怠感」は、気虚、血虚の症状です。
「動悸」は、血虚の症状です。
舌質痰から、気虚、血虚
舌苔白から、寒証
沈細弱から、裏証、血虚、陽虚
以上を統合して得られる証は、心脾両虚となります。
症例の男性は、心配事が増え、
食欲不振、倦怠感、動悸を伴う
陽萎となっています。
腎陽を補うのは、腎陽が不足している場合です。
瘀血を除くのは、
瘀血による症状がみられている場合です。
湿熱を除くのは、
湿熱による症状がみられている場合です。
症例の男性は、症状や
舌質は淡、舌苔は白、脈は沈細弱を認めていることから、
心脾両虚証であることが示唆されます。
心脾を補うことは、
治療方針として最も適切であり、
これが正解であると考えられます。
陽委はE Dのことで、
心身の疲労や加齢などが原因となります。