あん摩マッサージ指圧師の過去問
第31回(2023年)
午後 問56
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問題
あん摩マッサージ指圧師国家試験 第31回(2023年) 午後 問56 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文で示す病証に対する治療方針として最も適切なのはどれか。
「46歳の女性。回転性のめまい、難聴と耳の閉塞感を訴え、近医でメニエール病と診断された。頭重感を伴う。舌苔は厚膩、脈は滑を認める。」
「46歳の女性。回転性のめまい、難聴と耳の閉塞感を訴え、近医でメニエール病と診断された。頭重感を伴う。舌苔は厚膩、脈は滑を認める。」
- 腎陰を補う。
- 脾の運化を高める。
- 心火を瀉す。
- 肝気の滞りを除く。
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この過去問の解説 (3件)
01
「46歳の女性。回転性のめまい、難聴と耳の閉塞感を訴え、近医でメニエール病と診断された。頭重感を伴う。舌苔は厚膩、脈は滑を認める。」
「めまい」と関連のある臓腑は、
イライラが頭に上がった「肝」、
消化器機能の低下によりおこる痰湿の「脾」、
加齢による腎精不足の「腎」、
などが考えられます。
さらに、「難聴」と「耳の閉塞感」も、
肝、脾、腎、の症状の中にあります。
次に、
舌苔厚膩とは、舌苔が厚くベッタリと付いている状態で、痰湿の症状で見られます。
ここから、脾の運化作用の失調がみてとれ、
滑脈とは、滑らかな脈で、実熱証と診れます。
以上の事から、
肝、脾、腎の症状のうち、痰湿というキーワードが強力なので、
脾の運化作用の低下があると判断し、
「脾の運化作用を高める」
を、選びます。
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02
難聴と耳の閉塞感は、肝、脾、腎の病証で疑われます。舌苔が厚では痰湿、膩では痰湿の停滞で認められます。脈が滑は痰湿、邪熱がある場合にみられます。痰湿がみられるということは、脾の運化作用が失調していることが疑われます。
腎陰とは、腎に貯蔵された精、腎精から化生された血、腎によって調整された津液による滋潤作用のことを指します。
痰湿が認められているため、脾の運化を高めることが適当であると思われます。なのでこれが正解であると考えられます。
心火とは、心気が高ぶり興奮した状態を指します。心火が亢進すると血を主る機能や神志の作用が失調した状態を心火亢盛といいます。
肝の気が滞っている状態を肝気鬱結といいます。肝の病証により気滞が生じている状態です。
症状、舌苔、脈の状態から臓腑の病証を推察することが重要です。また、メニエール病に関する現代医学的な内容も押さえておきましょう。
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03
症例の女性は、メニエール病と診断されており、
回転性のめまい、難聴と耳の閉塞感、頭重感を訴えています。
腎陰を補うのは、腎陰虚の場合です。
舌苔は厚膩、脈は滑を認めることから、
痰湿、実熱などが示唆されます。
脾の運化が失調している可能性があり、
脾の運化を高めることは、
メニエール病の治療方針として最も適切であり、
これが正解であると考えられます。
心火を瀉すのは、心陽が亢進している場合です。
肝気の滞りを除くのは、
肝気が鬱滞している場合です。
メニエール病は、
めまいや難聴などを主訴とする疾患で、
内耳のリンパが増加することによって
生じると考えられています。
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