問題
医療機関で最初に行うべき検査はどれか。
15歳女子、倦怠感、無気力、朝起きるのがつらい、立ちくらみの症状から起立性調節障害が疑われます。
起立性調節障害が疑われる場合、最も簡便な検査として血圧の測定があります。なので、これが正解であると考えられます。
息切れがみられるが胸痛はないため、心臓疾患に罹患している可能性は低いと考えられます。なので、検査の優先順位は低いと思われます。
食欲がなく、体重の減少がみられますが、年齢的にも胃がんなどの消化器系の悪性腫瘍は考えにくいです。また、その他の消化器系の症状は認められないため、他の選択肢よりも優先順位は低いと思われます。
息切れがみられるが胸痛はなく、その他の呼吸器に関する症状が認められないため、他の選択肢よりも優先順位は低いと思われます。
起立性調節障害において血圧を測定する際、立位状態での血圧も測定することで、起立性低血圧を検査することが出来ます。この検査をシェロング試験とも呼び、仰臥位での血圧より、立位3~5分後の最高血圧が20mmhg以上低下していれば、起立性低血圧が疑われます。
「15歳の女子。主訴は倦怠感。最近、無気力で食欲がなく痩せた。少し動くと息切れがするが胸痛はない。朝起きるのがつらく、立ちくらみもする。脈は弱を認める。」
この問題は、西洋医学的に考えても、
立ちくらみ、息切れがあり、朝起きるのがつらく、脈が弱いということで、
低血圧を疑い、先ずは、血圧測定を考えます。
一方、東洋医学的にも、これは虚証で、
特に、
「無気力」「疲れやすい」「立ちくらみ」「脈弱」
というキーワードから気虚の症状とわかります。
優先順位が最も高い検査としては、
やはり血圧測定となります。
この問題では、東洋医学的に考えるよりも、
西洋医学的に考えた方が、回答を導きやすいでしょう。
症例の15歳の女子の主訴は倦怠感で、
最近、無気力で食欲がなく痩せ、
少し動くと息切れがするが胸痛はないとのことでした。
さらに、朝は起きるのがつらく、
立ちくらみもするとのことでした。
患者の年齢や症状から、
起立性調節障害が疑われます。
また、脈は弱を認めるとのことから、
気血不足であることが示唆されます。
ここでは医療機関で最初に行う検査を考えます。
朝起きるのが辛く、立ちくらみもするとのことから、
まず血圧測定を実施するのが適切であり
これが正解であると考えられます。
少し動くと息切れがするが、胸痛はないとのことから、
心電図検査の優先順位は高くないと考えられます。
食欲が低下し、痩せているとのことですが、
胃痛などの症状はなく、
胃内視鏡検査の優先順位は高くないと考えられます。
息切れがするとのことですが、胸痛などもなく、
スパイロメトリー検査の優先順位は
高くないと考えられます。
起立性調節障害の診断の際は、
血圧や脈拍測定を行う新起立試験や、
血液検査や心電図、レントゲン撮影などを行います。