あん摩マッサージ指圧師の過去問
第31回(2023年)
午後 問58
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問題
あん摩マッサージ指圧師国家試験 第31回(2023年) 午後 問58 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文で示す病証で治療対象となる経脈はどれか。
「28歳の男性。主訴は鼻閉と鼻汁。鼻汁は黄色く粘稠で臭いを伴う。普段から甘いものを好み、上腹部の膨満感、頭重感を訴える。舌質は紅、舌苔は黄膩、脈は滑数を認める。」
「28歳の男性。主訴は鼻閉と鼻汁。鼻汁は黄色く粘稠で臭いを伴う。普段から甘いものを好み、上腹部の膨満感、頭重感を訴える。舌質は紅、舌苔は黄膩、脈は滑数を認める。」
- 手の厥陰経
- 手の少陽経
- 足の太陰経
- 足の太陽経
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この過去問の解説 (3件)
01
症例の男性は鼻閉と鼻汁を主訴としています。
鼻汁は、黄色く粘稠で臭いを伴い、
上腹部の膨満感、頭重感を訴えています。
舌質は紅、舌苔は黄膩、脈は滑数を認め、
普段から甘いものを好むとのことから、
湿熱の停滞に伴う胃脾の機能低下が疑われます。
手の厥陰(心包)経は、
胸部から起こり、第3指に終わります。
手の少陽(三焦)経は、
第4指から起こり、眉毛外端に終わります。
足の太陰(脾)経は、
第1趾から起こり、前胸部で終わります。
脾胃の機能低下が疑われる状態ですので、
これが正解であると考えられます。
足の太陽(膀胱)経は、内眼角から起こり、
第5趾で終わります。
風邪や副鼻腔炎などの場合に、
黄色く粘稠な鼻汁となることがあります。
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02
鼻汁は黄色であることから、五色式体表では脾か胃が該当します。普段から甘いものを好むことから脾が侵されやすいことが考えられます。上腹部の膨満感から脾の病証が疑われ、脾の機能失調により昇清に影響が及ぶと、生理物質を上昇させることが出来なくなり、頭部を養うことができず、頭痛などを引き起こします。舌質紅は陰虚、舌苔黄膩は湿熱、脈滑は痰湿がある場合にみられます。
以上のことから湿熱の停滞に伴う脾胃の機能低下が疑われます。
手の厥陰経は心包経のことです。
手の少陽経は三焦経のことです。
足の太陰経は脾経のことであり、本症例は脾の病証が疑われるため、これが正解であると考えられます。
足の太陽経は膀胱経のことです。
症状、舌苔、脈の状態から臓腑の病証を推察することが重要です。また、今回の症例は副鼻腔炎が考えられ、現代医学的な内容もおさえておきましょう。
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03
「28歳の男性。主訴は鼻閉と鼻汁。鼻汁は黄色く粘稠で臭いを伴う。普段から甘いものを好み、上腹部の膨満感、頭重感を訴える。舌質は紅、舌苔は黄膩、脈は滑数を認める。」
鼻閉と鼻汁の症状は先ず、
外感性の、風邪、寒邪によるものと
内傷性のものに分けられます。
この内傷性の症状は
辛い物と飲酒を好み、肝胆の疏泄機能が低下する「肝胆鬱熱」によるものと、
甘い物や脂肪を好み、脾胃の運化機能が低下する「脾経湿熱」によるもの、
そして、
その虚証である、「肺気虚」と、「脾気虚」による、
4つに分けられます。
本症例では、
「甘い物を好む」「上腹部膨満感」ということから、脾系湿熱を疑え、
さらに、
舌質紅は、陰虚
舌苔黄膩は、湿熱
脈滑は、痰湿
と、実証の症状が強く、
特に「舌苔黄膩」が決め手となり、
足の太陰脾経を選択します。
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