問題
本患者に行った徒手検査法はどれか。
いかり肩、上肢痛、アドソンテストが陽性であることから胸郭出口症候群が疑われます。
頚部を後屈・回旋した状態で深く息を吸い、呼吸を止めたとき、橈骨動脈の拍動が減弱した場合、アドソンテスト陽性となります。なので、これが正解であると考えられます。
頚部を健側に側屈し、患側の手関節を背屈させ、上肢を後外方に牽引する。このとき、上肢痛が出現した場合に陽性となり、頚部神経根の症状が疑われます。
頚部を健側に側屈し、患側の上肢を後外方に牽引しながら橈骨動脈の拍動を触知します。このとき、動脈の拍動が減弱・消失した場合に陽性となり、胸郭出口症候群が疑われます。
肘を90度屈曲位で肩関節を90度屈曲し、橈骨動脈の拍動を触知します。そのまま肩関節を水平外転したとき、動脈の拍動が減弱・消失すると陽性です。陽性の場合、胸郭出口症候群(小胸筋下の間隙部の絞扼)が疑われます。
胸郭出口症候群で行われる徒手検査には、アレン・ライト・アドソン・エデン・モーリー・ハルステッド・ルーステストなどがあります。どの徒手検査が斜角筋隙部、小胸筋下の間隙部、肋鎖間隙部を刺激するのかをおさえておくのがポイントです。
問題文にある徒手検査法は、アドソンテストです。
胸郭出口症候群のテストですが、
いかり肩の場合は、血管圧迫型、
一方、
なで肩の場合は、神経牽引型の傾向が強いです。
胸郭出口症候群のテストには、他にも
アレンテスト
エデンテスト
ハルステッドテスト
モーリーテスト
ライトテスト
などがあります。
正解です。
頚部を健側へ屈曲し、患側の上肢を斜下方へ牽引する、頸椎神経根症状のテスト法です。
座位にて、頚部伸展状態で健側へ回旋させた状態で、上肢を下方牽引し、橈骨動脈を触知する、胸郭出口症候群のテストです。
座位にて、肩関節を90度外転外旋した状態で、橈骨動脈を触知する、胸郭出口症候群のテスト法です。
事例の男性の主訴が、右上肢痛であることから、
頸部の後屈と右回旋を行うことにより、
右橈骨動脈の拍動の変化を調べています。
アドソンテストは、
胸郭出口症候群のうち、斜角筋の影響を
判別するテストです。
斜角筋の緊張を強めることにより、
症状がみられる側の橈骨動脈の変化を
観察しますので、
これが正解であると考えられます。
イートンテストは、
頸部神経根障害の有無を判別するテストです。
頸部を健側に側屈させ、
側屈した側と逆の手関節を握り、
後下外方へ引いて行います。
ハルステッドテストは、
胸郭出口症候群のうち、
肋鎖間隙と斜角筋の影響を評価するテストです。
ライトテストは、
胸郭出口症候群のうち、
小胸筋の影響を評価するものです。
胸郭出口には、
斜角筋隙、助鎖間隙、小腕筋下間隙の
3つの狭小部位があります。