あん摩マッサージ指圧師の過去問
第31回(2023年)
午後 問65
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問題
あん摩マッサージ指圧師国家試験 第31回(2023年) 午後 問65 (訂正依頼・報告はこちら)
「28歳の男性。和太鼓の激しい稽古を連日続けていたら、右肘の内側が痛くなり同側の小指と小指球にしびれが出現した。」
本症例で陽性となるのはどれか。
本症例で陽性となるのはどれか。
- ファレンテスト
- フロマン徴候
- アイヒホッフテスト
- ティアドロップ徴候
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この過去問の解説 (3件)
01
右肘の内側の痛み、同側の小指と小指球のしびれから、尺骨神経の障害が疑われます。
手関節90度屈曲位で、両手の手背を合わせて約1分間保持させるテストです。正中神経が分布している指や手掌にしびれや疼痛が出現した場合、陽性となり、正中神経の障害(手根管症候群)が疑われます。
両手の母指と示指で紙をはさんで引っ張るように指示すると、母指内転筋の筋力が低下した状態であれば、母指IP関節が屈曲する現象のことです。尺骨神経麻痺でみられるため、これが正解であると考えられます。
母指を手の中にいれて、握った状態で手関節を尺屈させるテストです。このとき、手関節橈側側に痛みが出現すれば陽性となり、狭窄性腱鞘炎(ド・ケルバン病)が疑われます。
母指IP関節・示指DIP関節の屈曲ができなくなり、パーフェクトOの不整がみれられ、円は指先でつぶれて涙滴型となる状態のことです。前骨間神経麻痺が疑われます。
上腕骨内側上顆の後方には尺骨神経溝があり、尺側手根屈筋の起始部にある上腕頭と肘頭にまたがる靭帯によりトンネル状の構造ができます。これを肘部管と言い、その部位が障害されるとと尺骨神経麻痺が生じます。これが肘部管症候群です。
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02
「右ひじの内側の痛み」「同側小指と小指球のしびれ」ということから、
尺骨神経に関する症状とわかります。
尺骨神経の障害には、
肘関節部分の絞扼による「肘部管症候群」と、
手関節部分の絞扼による「ギヨン管症候群」がありますが、
「肘内側の痛み」ということなので、
「肘部管症候群」とわかります。
フローマン徴候とは、母指と示指で紙を保持し、その紙を引っ張った際に、患側の母指DIP関節が屈曲するかをみるテストです。
よってこれを選択します。
手関節90度屈曲肢位にて、両側手背部を合わせた状態で、疼痛やしびれを誘発する、手根管症候群のテストです。
正解です。
母指を屈曲しそのまま示指、中指、環指、小指で包み込み、握りこぶしを作った状態で、手関節を尺屈し、橈側に痛みが出るかをみるテストで、ドケルバン症候群のテストになります。
フィンケルシュタインテストとほぼ同じです。
手根管症候群の際に見られる徴候で、OKサインを作ろうとしても、綺麗な円が作れず、OKサインが涙型になるという徴候を言います。
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03
症例の男性は、右肘内側の痛みと
同側の小指と小指球に痺れが出現しています。
和太鼓の激しい稽古を続けていたこと、
肘の内側の痛みと、痺れの部位が小指側であることから、
尺骨神経が障害される、肘部管症候群が疑われます。
ファレンテストは、正中神経が障害される、
手根管症候群の誘発テストです。
フロマン徴候は、
尺骨神経麻痺を判別するテストです。
肘部管症候群は、
尺骨神経の圧迫などが原因ですので、
これが正解であると考えられます。
アイヒホッフテストは、腱鞘炎のひとつである、
ド・ケルバン病を判別するテストです。
ティアドロップ徴候は、
正中神経から分岐する前骨間神経の
麻痺が見られると陽性となります。
肘部管は、上腕骨、尺骨と靱帯で構成され、
尺骨神経が走行しています。
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