あん摩マッサージ指圧師の過去問
第32回(2024年)
午前 問43
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
あん摩マッサージ指圧師国家試験 第32回(2024年) 午前 問43 (訂正依頼・報告はこちら)
異常歩行と疾患の組合せで正しいのはどれか。
- 酩酊歩行 ――――――――― 小脳梗塞
- 小刻み歩行 ―――――――― 視床出血
- 分回し歩行 ―――――――― 変形性股関節症
- トレンデレンブルグ歩行 ―― パーキンソン病
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (3件)
01
異常歩行には、様々なものがありますが、大きくは、中枢神経系の異常歩行と、筋力低下によるものに分けられます。
先ず、中枢神経系の異常歩行としては、
痙性片麻痺歩行の、尖足・内反尖足歩行、反張膝、ぶん回し歩行、骨盤引き上げ歩行、鶏歩などがあります。
痙性対麻痺歩行では、脳性小児麻痺にみられるはさみ脚歩行があり、
運動失調性の歩行としては、小脳性運動失調にみられる酩酊歩行、よろめき歩行があります。
その他、パーキンソン病でみられる歩行として、小刻み歩行、すくみ足歩行、突進歩行などは、特徴的な歩行なので覚えておきましょう。
また、筋力低下による異常歩行では、大殿筋歩行、中殿筋歩行(トレンデンブルグ歩行)、アヒル歩行などがあり、
さらに、腰部脊柱管狭窄症にみられる、間欠性跛行も異常歩行の一つとなります。
正しいです。
参考になった数2
この解説の修正を提案する
02
筋肉、骨、関節の疾患、神経系の疾患などによって特徴的な歩行がみられることがあります。自然に歩行する状態のほか、回れ右や左、うしろ歩き、つま先歩き、踵歩きなどをさせ確認します。
酩酊歩行は、失調性疾患により円滑な運動ができないために、つたなく、不確実な状態の歩行です。小脳障害では、頭部や体幹が動揺し、患側へよろめきます。なので、これが正解であると考えられます。
小刻み歩行は、頭と上体を前屈し、ちょこちょこと小刻みに歩くものです。パーキンソン歩行と呼ばれ、パーキンソン病でみられます。
分回し歩行は、脳血管障害などによる片麻痺でみられます。麻痺足は硬直してぎこちなく動き、下肢を上げる時、股関節を中心とし外側に半円を描くように外転・分回し運動をします。
トレンデレンブルグ歩行は、股関節の外転筋力が低下するために股関節が不安定となった状態です。患側下肢で起立した時に健側の骨盤が下がり、バランスをとるために患側の肩を低下させながら歩きます。先天性股関節脱臼や変形性股関節症などの股関節疾患でみられます。
他に、以下のような異常歩行があります。
突進歩行:パーキンソン病でみられます。前かがみの姿勢で、背中を後ろから軽く突くと、身体の重心が前に移り加速度的に歩行が速くなります。
痙性対麻痺歩行:脳血管障害で両側の錐体路に障害がある場合、対麻痺が起こります。両膝が重なり合うようにして歩き、両足が内側に向いた足尖を交互に交叉させながら爪先歩行となります。
鶏歩:腓骨神経麻痺による尖足で生じます、足を高く上げ足先をひきずるように歩行します。
動揺性歩行:進行性筋ジストロフィー、多発筋炎、近位型脊髄性筋委縮症など下肢帯の筋力が低下した場合にみられます。下肢を交互に骨盤ごと持ち上げ、上体を支持足側に大きく傾け、左右にゆすりながら歩きます。
間欠性跛行:下肢に動脈硬化症がある場合、ときどき歩行できなくなり、しばらく安静にしているとまた歩行できるようになります。
疼痛性跛行:下肢に疼痛があると、患側の下肢は注意深く着地し、接地時間を短くして健側の下肢をすばやく前に出して歩行します。
随意性跛行:股関節結核の患児にみられる跛行で、周りが注意すると正常に歩行しますが、しばらくするとまた跛行が現れます。
参考になった数0
この解説の修正を提案する
03
この問題は、異常歩行の種類とそれに関連する疾患を正しく結びつけることが求められています。
神経・筋肉・関節の問題はそれぞれ特徴的な跛行を呈します。
異常歩行の名称だけでなく、その原因についても覚えるようにしましょう。
酩酊歩行は、アルコール中毒のようにふらついた歩様を指します。
一般的に小脳疾患で見られる歩様です。
小脳には協調運動やバランスを保つ役割があります。
そのため、小脳が障害されることで、下肢の協調性が損われて酩酊歩行が見られます。
この選択肢は正しいです。
小刻み歩行は、歩幅が小さくなって足を引きずるような歩様のことを指します。
小刻み歩行はパーキンソン病の典型的な症状です。
視床出血では小刻み歩行は見られません。
この選択肢は不適切です。
分回し歩行は、足を前方に振り出すときに外側に大きく回しながら歩くことを指します。
脳卒中などで片麻痺がある場合に見られます。
変形性股関節症では、通常このような歩行は見られません。
トレンデレンブルグ歩行は、股関節外転筋の筋力低下で片脚立ちの際に骨盤が反対側に傾く歩様を指します。
これは変形性股関節症や先天性股関節脱臼などで見られ、パーキンソン病とは関連がありません。
この選択肢は不適切です。
異常歩行と疾患の組み合わせで正しいのは酩酊歩行-小脳梗塞です。
異常歩行とその病態は頻出問題です。
他の選択肢についてもそれぞれ正確に覚えておく必要があります。
参考になった数0
この解説の修正を提案する
前の問題(問42)へ
第32回(2024年)問題一覧
次の問題(問44)へ