あん摩マッサージ指圧師の過去問
第32回(2024年)
午前 問76

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問題

あん摩マッサージ指圧師国家試験 第32回(2024年) 午前 問76 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文で示す症例について、問いに答えよ。
「55歳の男性。仕事中に意識障害を生じ、病院に救急搬送。右中大脳動脈領域の脳梗塞と診断され、保存的治療を受けた。」

発症後しばらくして左肩の疼痛と左手の腫脹、疼痛を認めた。この症状に対するリハビリテーションで最も適切なのはどれか。
  • 認知機能訓練
  • 歩行訓練
  • 関節可動域訓練
  • 健側筋力強化訓練

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この過去問の解説 (2件)

01

脳血管障害における後遺症の1つに、肩手症候群があります。肩や手の疼痛・可動域制限により、運動訓練や生活動作が制限されます。
 

選択肢1. 認知機能訓練

記銘力や判断力の低下がみられる場合などに必要となります。

選択肢2. 歩行訓練

痙性片麻痺歩行など歩行障害がみられる場合に必要となります。

選択肢3. 関節可動域訓練

肩手症候群による可動域制限に対し行うので、これが正解であると考えられます。

選択肢4. 健側筋力強化訓練

廃用症候群の予防などを目的におこなわれます。

まとめ

脳梗塞慢性期の治療は再発予防と合併症・後遺症の軽減が目的になります。機能の回復と維持のためにはリハビリテーションが重要です。

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02

この問題では、脳梗塞後に生じる肩手症候群(RSD: Reflex Sympathetic Dystrophy)の特徴と、適切なリハビリテーション方法を理解していることが求められます。

 

肩手症候群は、片麻痺を呈した患者においてよく見られる合併症です。

 

肩手症候群では、早期の関節可動域訓練が重要です。

選択肢1. 認知機能訓練

認知機能訓練は、脳梗塞による認知機能の低下に対するアプローチです。

 

肩や手の疼痛や腫脹の改善には直接関係しません。

 

したがって、この選択肢は不正解です。

選択肢2. 歩行訓練

歩行訓練は、下肢の機能回復を目的としたリハビリテーションです。

 

肩手症候群の症状である肩の疼痛や手の腫脹に対する直接的な対処法ではありません。

 

この選択肢は不正解です。

選択肢3. 関節可動域訓練

関節可動域訓練は、肩手症候群の症状に対する最も適切なリハビリテーションです。

 

肩手症候群では関節の動きが制限されてしまうことが多いです。

 

そのため、早期の関節可動域訓練を行うことで拘縮の予防や疼痛の軽減に役立ちます。

 

この選択肢は正解です。

選択肢4. 健側筋力強化訓練

健側筋力強化訓練は、麻痺がない側の筋力を維持・向上させるための訓練です。

 

肩手症候群の直接的な症状である疼痛や腫脹の改善には寄与しません。

 

この選択肢は不正解です。

まとめ

脳梗塞後の肩手症候群には、関節の動きが制限されます。

 

選択肢の中では、関節可動域訓練が最も効果的なリハビリテーション法です。

 

可動域が拡大することで、疼痛の軽減と関節の拘縮予防が期待できます。

 

他の選択肢は、症状の改善に直接的に関与しないので今回の症例には適していません。

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