あん摩マッサージ指圧師 過去問
第32回(2024年)
問75 (午前 問75)

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問題

あん摩マッサージ指圧師国家試験 第32回(2024年) 問75(午前 問75) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文で示す症例について、問いに答えよ。
「55歳の男性。仕事中に意識障害を生じ、病院に救急搬送。右中大脳動脈領域の脳梗塞と診断され、保存的治療を受けた。」

最もみられる症状はどれか。
  • 固縮
  • 体幹失調
  • 両下肢麻痺
  • 左半側空間無視

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題では、右中大脳動脈領域の脳梗塞によって引き起こされる典型的な症状を理解することが求められています。

 

中大脳動脈は脳の外側部を供給しています。

 

ここでの血流障害は運動や感覚に影響を与え、空間認識に問題を生じさせることがあります。

選択肢1. 固縮

固縮は、筋肉の持続的な硬直状態を指し、多方向の運動制限が生じます。

 

主にパーキンソン病の特徴的な症状です。

 

脳梗塞における初期症状としては一般的ではありません。

 

この選択肢は不正解です。

選択肢2. 体幹失調

体幹失調は、主に小脳の障害によりバランスがとりづらくなる症状です。

 

中大脳動脈の脳梗塞による直接的な症状ではないため、この選択肢は不正解です。

選択肢3. 両下肢麻痺

両下肢麻痺は、両足における麻痺状態を指します。

 

これは通常、脊髄の損傷両側の広範囲な脳損傷で起こります。

 

片側の中大脳動脈の梗塞では通常見られません。

 

この選択肢は不正解です。

選択肢4. 左半側空間無視

左半側空間無視は、右中大脳動脈領域の脳梗塞による代表的な症状です。

 

この状態では、患者が左側の空間を認識できなくなる、もしくは意識しにくくなります。

 

脳の右半球が視空間の左側を処理しています。

 

そのため、右側の中大脳動脈の障害は左半側の無視を引き起こします。

 

この選択肢は正解です。

まとめ

右中大脳動脈領域の脳梗塞では、左半側空間無視が最もよく見られる症状です。

 

これは脳の右半球が視空間の左側を管理しているためです。

 

左側に対する注意が損なわれることで生じます。

 

 

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02

中大脳動脈の梗塞では、片麻痺、半身の感覚障害、同名半盲、患側への共同偏視、意識障害、構成障害、優位側の失語、失認劣位側の半側君桓武氏、着衣失行などがみられます。

選択肢1. 固縮

固縮はパーキンソン病などの錐体外路障害でみられます。

選択肢2. 体幹失調

体幹失調は小脳梗塞などでみられます。

選択肢3. 両下肢麻痺

両下肢麻痺は脊髄損傷などでみられます。

選択肢4. 左半側空間無視

左半側空間無視は、全視野が目に入っているにもかかわらず、意識して注意を向けない限り左側の物体に気づかない状態です。右中大脳動脈領域の脳梗塞の急性期におこる代表的な症状です。なので、これが正解であると考えられます。

まとめ

半側空間無視の検査には、模写試験、線分抹消試験、線分二等分試験などがあります。

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03

55歳の男性は、

右中大脳動脈領域の脳梗塞と診断され、

保存的治療を受けました。

選択肢1. 固縮

固縮とは、筋緊張の亢進により

筋を動かそうとすると固くなり、

抵抗が生じる状態です。

 

パーキンソン病の際にみられます。

 

脳梗塞では、

筋の緊張と弛緩のバランスが

崩れることにより生じる

痙縮がみられることがあります。

選択肢2. 体幹失調

体幹失調は、運動麻痺がないにも関わらず

体幹のバランスが取れなくなり

姿勢保持が難しくなっている状態です。

 

小脳が障害されると生じることがあります。

選択肢3. 両下肢麻痺

両下肢麻痺は、左右両方の下肢の麻痺であり、

胸椎以下の神経障害がある際にみられます。

選択肢4. 左半側空間無視

左半側空間無視は、脳の右側が損傷し、

左側の空間を認識できなくなっている

状態です。

 

この男性は、右中大脳動脈領域の脳梗塞と

診断されており、

症状の一つとして左半側空間無視が

生じていることが想定されます。

 

脳梗塞の急性期では70〜80%、

慢性期では40%の頻度でみられるとも

いわれています。

 

右脳梗塞患者に最もみられる症状と

いえますので、

これが正解であると考えられます。

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