あん摩マッサージ指圧師の過去問
第32回(2024年)
午前 問74

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問題

あん摩マッサージ指圧師国家試験 第32回(2024年) 午前 問74 (訂正依頼・報告はこちら)

パーキンソン病でみられやすい症状はどれか。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、パーキンソン病に関連する症状について理解を問うものです。

 

パーキンソン病は、中脳の黒質にあるドーパミンを産生する神経細胞の減少によって引き起こされる神経変性疾患です。

 

パーキンソン病では、特有の運動症状が出現します。

選択肢1. 痙縮

痙縮は、筋肉の緊張が増して収縮が持続する状態です。

 

主に脳卒中や脊髄損傷など上位運動ニューロン障害でみられる症状です。

 

パーキンソン病の症状には含まれません。

 

したがって、この選択肢は不正解です。

選択肢2. 振戦

振戦は、パーキンソン病の主要な症状の一つです。

 

特に安静時に手や足が震えることが特徴です。

 

この振戦は、パーキンソン病の初期に最もよく見られる運動症状です。

 

そのため、パーキンソン病診断の一助となります。

 

この選択肢が正解です。

選択肢3. 喘鳴

喘鳴は、気道が狭くなることによって生じる音です。

 

主に呼吸器系の問題に関連します。

 

パーキンソン病とは直接関連しない症状です。

 

この選択肢は不正解です。

選択肢4. 尿閉

尿閉は、尿が排出されにくくなる状態です。

 

前立腺肥大症や神経系障害でみられることがあります。

 

パーキンソン病では自律神経症状として生じることがありますが、主要な症状とは言えません。

 

この選択肢は不正解です。

まとめ

パーキンソン病でみられやすい症状として振戦が挙げられます。

 

特に安静時の振戦は、パーキンソン病の初期段階での特徴的な症状です。

 

パーキンソン病の典型的な症状は以下の通りです。

 

振戦(しんせん)

安静時振戦:手や指が何もしていないときに震える。典型的には「ピルローリング振戦」と呼ばれます。


筋固縮(きんこしゅく)

筋肉のこわばりが生じ、関節が動かしにくくなります。


無動(むどう)・寡動(かどう)

動きの開始が遅くなる、動作が少なくなります。

顔の表情が乏しくなります(仮面様顔貌


姿勢反射障害

バランスを崩しやすくなり、転びやすくなります。

 

歩行障害

小刻み歩行、すり足歩行が見られます。

歩き始めが難しくなったり、方向転換がしにくくなります。

 

姿勢の変化

前かがみの姿勢(屈曲姿勢)をとります。


自律神経症状

便秘、低血圧、排尿障害、発汗異常などの自律神経症状


睡眠障害

睡眠が浅くなる、不眠症、REM睡眠行動障害など。


精神症状

うつ病、不安、認知機能の低下が見られることがあります。


嗅覚障害

初期に嗅覚の低下が見られることがあります。

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02

パーキンソン病で見られる症状は、4大症状である安静時振戦、無動、筋強剛、姿勢保持障害の他、歩行障害、自律神経症状、精神症状などです。

選択肢1. 痙縮

パーキンソン病では、黒質の変性によって大脳基底核での運動の制御機構が障害され、筋トーヌスが亢進します。その結果、筋の収縮と弛緩のバランスがくずれ、関節が他動的な運動に対して抵抗を示す固縮がみられます。

選択肢2. 振戦

パーキンソン病では、じっとしているときに手足がふるえる安静時振戦がみられます。なので、これが正解であると考えられます。

選択肢3. 喘鳴

喘鳴とは呼吸時にヒューヒュー、ゼーゼーといった音が出るもので、気管支喘息などでみられます。

選択肢4. 尿閉

尿閉とは、膀胱内に尿が溜まっており尿意があるにも関わらず排尿できない状態で、前立腺肥大症などでみられます。パーキンソン病では、排尿障害や便秘が起こります。

まとめ

片側の運動症状で発症することが多く、徐々に両側に症状が起こり日常生活が不便になっていきます。進行が進むと寝たきりになってしまいます。

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