あん摩マッサージ指圧師の過去問
第32回(2024年)
午前 問78

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問題

あん摩マッサージ指圧師国家試験 第32回(2024年) 午前 問78 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文で示す症例について、問いに答えよ。
「87歳の女性。昨日から右膝痛と38℃の発熱が出現した。右膝関節に熱感、腫脹及び膝蓋跳動を認める。関節液の偏光顕微鏡観察で結晶を認めた。」

確認された結晶の成分で可能性が高いのはどれか。
  • 尿酸ナトリウム
  • ヒアルロン酸ナトリウム
  • シュウ酸カルシウム
  • ピロリン酸カルシウム

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、関節液中の結晶成分を特定するための鑑別診断が必要になります。

 

抽出された結晶の種類によって想定される疾患が異なります。

 

そのため、膝関節の症状と結晶の成分を結びつけて正確に判断することが求められます。

選択肢1. 尿酸ナトリウム

尿酸ナトリウムは痛風で見られる結晶成分です。

 

痛風は一般的に足の親指に急性の痛みと炎症を引き起こします。

 

まれに、膝関節に発生することもあります。

 

この場合、関節液の偏光顕微鏡観察で針状の尿酸ナトリウム結晶が確認されます。

 

正解の可能性がある選択肢ですが、今回の問題は「偽痛風」の疑いが強いため、不正解です。

選択肢2. ヒアルロン酸ナトリウム

ヒアルロン酸ナトリウムは関節液に自然に存在する成分です。

 

関節の潤滑作用を助ける重要な役割があります。

 

結晶として関節に炎症を引き起こすことはありません。

 

したがって、症状の原因としては考えにくいので不正解です。

選択肢3. シュウ酸カルシウム

シュウ酸カルシウムは腎結石などで見られる成分です。

 

関節炎を引き起こすことはありません。

 

また、関節液中にこの成分が存在することはほとんどありません。

 

今回のリウマチや偽痛風のような症状と一致しません。

 

よって不正解です。

選択肢4. ピロリン酸カルシウム

ピロリン酸カルシウムは偽痛風(CPPD:カルシウムピロリン酸脱臼症)で見られる結晶成分です。

 

膝関節の急性の痛みや炎症を引き起こします。

 

偏光顕微鏡でローム状または正方形の結晶として確認されます。

 

この症例において最も可能性が高い選択肢なので正解となります。

まとめ

この症例では、膝関節の痛みと炎症に加え、関節液中に結晶が認められたことから、ピロリン酸カルシウムが原因の偽痛風が最も可能性が高いです。

 

他の選択肢はそれぞれ異なる疾患や組織と関連しています。

 

尿酸ナトリウム-痛風

ヒアルロン酸ナトリウム-関節液成分

シュウ酸カルシウム-腎結石

 

偽痛風は関節の炎症を引き起こす代表的な疾患で結晶の観察が診断のカギとなります。

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02

偽痛風はピロリン酸CA結晶が関節腔内に析出し、半月板や関節軟骨の表面に沈着する疾患です。

選択肢1. 尿酸ナトリウム

尿酸ナトリウムは痛風の原因物質となります。

選択肢2. ヒアルロン酸ナトリウム

ヒアルロン酸ナトリウムは目薬として使用されます。

選択肢3. シュウ酸カルシウム

シュウ酸カルシウムは尿路結石などの原因として知られています。

選択肢4. ピロリン酸カルシウム

ピロリン酸カルシウムは偽痛風でみられる結晶ですので、これが正解であると考えられます。

まとめ

偽痛風は、偽痛風発作だけでなくしばしば変形性関節症の合併や関節破壊、脊椎病変もみられ症状は多彩です。
 

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