あん摩マッサージ指圧師の過去問
第32回(2024年)
午後 問31

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問題

あん摩マッサージ指圧師国家試験 第32回(2024年) 午後 問31 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文で示す症例の絞扼部位として、施術対象となる筋で最も適切なのはどれか。
「30歳の男性。主訴は左上肢の痛みとだるさ。電車のつり革に長時間つかまっていると症状が悪化する。ライトテスト陽性、アドソンテストとモーレイテストは陰性。」

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この過去問の解説 (2件)

01

設問から胸郭出口症候群であることが推測されますが

スペシャルテストによってどの部位で絞扼が起きているかを判断できます。

 

ライトテスト

→小胸筋部分での絞扼を判断する。頭上作業など上肢が頭上になった際に症状が出やすい。小胸筋が伸張して、短縮・過緊張し症状を誘発する。

アドソンテスト

→斜角筋部分での絞扼を判断する。前斜角筋と中斜角筋が過緊張し神経を圧迫。呼吸筋へのストレスが引き起こすことがある。

モーレイ(モーリー)テスト

→斜角筋部分での絞扼を判断する。橈骨動脈を触りつ斜角筋上部を圧迫し判断する。脈が触れなくなったり上肢に放散痛が主縷言する。

選択肢1. 胸鎖乳突筋

不正解です。

胸鎖乳突筋は胸郭出口症候群となる神経の圧迫などには作用しません

胸鎖乳突筋関連の姿勢不良が

間接的に胸郭出口症候群の原因とはなり得ますが

ここでは当てはまりません。

選択肢2. 斜角筋

不正解です。

胸郭出口症候群に直接かかわりがありますが

モーレイテスト、アドソンテストが陰性なので

斜角筋の短縮はないと考えます。

選択肢3. 小胸筋

正解です。

ライトテストが陽性なので

小胸筋が短縮や過緊張し症状を引き起こしていると考えます。

選択肢4. 上腕筋

不正解です。

上腕筋は3つのスペシャルテストとは関連が薄いので

直接的な影響はないと考えます。

まとめ

整形外科的スペシャルテストとは

どこをどう損傷しているかを判断することが可能です。

正確に覚えて実施できてこそ、正確な施術へと移ることができます。

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02

この問題は、特定の症例において神経の絞扼部位と関連する筋肉を特定することを求めています。

対象症例は、30歳の男性が左上肢の痛みとだるさを訴え、特定のテストが陽性となっています。

・上肢の痛みとだるさ
・電車のつり革に長時間つかまっていると症状が悪化(長時間の上肢挙上位)
・ライトテスト陽性


この結果より症例は胸郭出口症候群であると予測されます。

テスト結果から絞扼部位を絞り込めるかが正解へのカギとなります。

選択肢1. 胸鎖乳突筋

胸鎖乳突筋は、首の側面に位置する筋肉で主に頭部の回旋や側屈に関与します。

胸郭出口症候群の関連筋として考えられることもあります。

しかし、アドソンテストとモーレイテストが陰性であることから頸部筋である胸鎖乳突筋の直接的関連は低いと予測できます。

よってこの選択肢は不正解です。

選択肢2. 斜角筋

斜角筋群は頸部に位置し、胸郭出口症候群の絞扼部位の一つとしてよく知られています。

ただし、ライトテストが陽性であることから症状が斜角筋ではなく、他の部位が関与していると予測されます。

この選択肢は不正解です。

選択肢3. 小胸筋

小胸筋は、胸部の深層に位置して胸郭出口症候群の絞扼部位の一つです。

ライトテストが陽性で腕を上げた際に症状が悪化することから、小胸筋が絞扼部位として関連している可能性が高いです。

したがって、この選択肢が正解です。

腕を上げた際に症状が出現する場合は過外転症候群ともいわれます。

選択肢4. 上腕筋

上腕筋は、上腕の前面に位置して肘関節の屈曲に関与します。

胸郭出口症候群の絞扼部位にはなることはないので、この選択肢は不正解です。

まとめ

この問題では、左上肢の痛みとだるさを訴える30歳の男性に対する適切な施術対象筋を特定する必要がありました。

正解は「小胸筋」であり、これはライトテストが陽性であることからも、絞扼部位として最も関連性が高いです。

他の選択肢である胸鎖乳突筋、斜角筋、上腕筋は胸郭出口症候群と関連する筋肉もありますが、過外転症候群とは関連が小さいので、この症例には適していません。

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