あん摩マッサージ指圧師の過去問
第32回(2024年)
午後 問34
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問題
あん摩マッサージ指圧師国家試験 第32回(2024年) 午後 問34 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文で示す症例で最も考えられる疾患はどれか。
「69歳の女性。散歩を日課としているが、しばらく歩くと下肢に痛みやしびれが生じ、少し休むと再び歩行可能となる。また、手押し車を使用すると症状の出現はない。ケンプテスト陽性、両足背動脈拍動の触知は良好。」
「69歳の女性。散歩を日課としているが、しばらく歩くと下肢に痛みやしびれが生じ、少し休むと再び歩行可能となる。また、手押し車を使用すると症状の出現はない。ケンプテスト陽性、両足背動脈拍動の触知は良好。」
- 腰部脊柱管狭窄症
- 糖尿病性ニューロパチー
- 腰椎椎間板ヘルニア
- 閉塞性動脈硬化症
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この過去問の解説 (3件)
01
下肢症状を引き起こす疾患には様々なものがあります。
間欠跛行の出現や腰部前屈位での症状の緩和、ケンプテスト陽性といった点から、腰部脊柱管狭窄症の特徴があらわれています。
なので、これが正解であると考えられます。
糖尿病性ニューロパチーでは手足の感覚障害が生じますが、動作による増悪は考えづらいです。
腰椎椎間板ヘルニアの場合、腰部の前屈で症状の増悪がみられることが多いです。
閉塞性動脈硬化症では、腰部前屈位での症状の緩和はみられず、足背動脈の拍動に異常がみられます。
腰部脊柱管狭窄症と閉塞性動脈硬化症はどちらも間欠跛行がみられるため、鑑別が重要です。
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02
この問題は、症例患者の症状から最も近いと考えられる疾患を特定することが求められます。
対象症例は、69歳の女性が歩行時に下肢に痛みやしびれを感じ、休むと再び歩行可能になるというものです。
「休むと再び歩行可能になる」という情報から間欠性跛行を想定できるかがポイントです。
・手押し車を使用すると症状が出ない
・ケンプテスト陽性
・両足背動脈拍動が良好
これらの情報を元に、適切な疾患を特定する必要があります。
腰部脊柱管狭窄症は、脊柱管が狭窄することで神経や血管が圧迫される疾患です。
歩行時に下肢に痛みやしびれが生じ、休むと再び歩行可能になる間欠性跛行が特徴的です。
また、腰部脊柱管狭窄症では体幹前屈をすると症状が軽減するのも1つの特徴です。
手押し車を使用すると症状が軽減してケンプテスト陽性であるため、この疾患に所見が一致するのでこの選択肢が正解です。
糖尿病性ニューロパチーは、糖尿病による末梢神経障害で手足のしびれや痛みが生じます。
しかし、間欠性跛行や手押し車使用での症状軽減は通常見られません。
また、ケンプテスト陽性は糖尿病性ニューロパチーには直接関係しません。
したがって、この選択肢は不正解です。
腰椎椎間板ヘルニアは、椎間板が突出して神経を圧迫する疾患です。
下肢の痛みやしびれが特徴ですが、休むことで症状が改善する間欠性跛行や手押し車使用による症状軽減は一般的ではありません。
そのため、この選択肢は不正解です。
閉塞性動脈硬化症は、動脈の狭窄や閉塞により血流が減少し、歩行時に下肢に痛みやしびれが生じます。
休むと再び歩行可能になる間欠性跛行が特徴です。
しかし、両足背動脈拍動の触知が良好であることは、この疾患には一致しません。
この選択肢は不正解です。
この問題では、特定の症例に基づいて最も考えられる疾患を特定する必要がありました。
正解は「腰部脊柱管狭窄症」であり、間欠性跛行や手押し車使用時の症状軽減、ケンプテスト陽性などがこの疾患に一致します。
他の選択肢である糖尿病性ニューロパチー、腰椎椎間板ヘルニア、閉塞性動脈硬化症は、それぞれ異なる特徴を持ち、この症例には適していません。
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03
それぞれの疾患への理解を深めておくと
症状を問診しただけで疾患を粗方絞ることが可能です。
実際に触診した際に的を絞っておくことで
スムーズに診察が可能となります。
腰部狭窄症の症状として
間欠性跛行(数分~数十分の歩行で症状が出てくる)
やや前傾の姿勢をとると楽になる(手押し車などの利用)
足背動脈は正常に触れることができる。
以上から腰部脊柱管狭窄症の可能性があると言えます。
糖尿病性ニューロパチーは
足先から症状が出ることが多く、手先にも感覚や運動障害が出てきます。
また立ち眩みや発汗異常もみられることがあるため
設問の通りの症状ではないことがわかります。
腰椎椎間板ヘルニアは
間欠性跛行がみられることがありますが
前傾姿勢をとると症状が強くなります。
またケンプテストは陰性になることが多いです。
よって設問には当てはまりません。
閉塞性動脈硬化症は
間欠性跛行もみられますが
症状が進行すると安静時にも症状が出てきます。
また皮膚の冷感なども感じることが多いので
設問にはあてはまらないことがわかります。
訴えのある症状を判別することで
治療院で対応可能なものなのか、医師の介入なしでは症状改善が見込めないものなのかを
判断し適切な処置を行うことが可能です。
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