あん摩マッサージ指圧師の過去問
第32回(2024年)
午後 問35

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問題

あん摩マッサージ指圧師国家試験 第32回(2024年) 午後 問35 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文で示す症例の神経絞扼部位はどれか。
「68歳の男性。環指と小指の鈎爪変形、骨間筋の萎縮とともに前腕から手掌及び手背の尺側に感覚障害がみられる。」
  • 尺側手根屈筋の上腕頭と尺骨頭の間
  • 円回内筋の上腕頭と尺骨頭の間
  • 尺側手根隆起と橈側手根隆起の間
  • 豆状骨と有鈎骨の間

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この過去問の解説 (2件)

01

尺骨神経の麻痺により鉤爪変形、骨間筋の萎縮、支配領域の感覚障害が生じていると考えられます。

選択肢1. 尺側手根屈筋の上腕頭と尺骨頭の間

尺側手根屈筋の尺骨頭と上腕頭の間にはオズボーン靭帯があります。この部で尺骨神経が圧迫などされることで肘部管症候群を発症します。
なので、これが正解であると考えられます。

選択肢2. 円回内筋の上腕頭と尺骨頭の間

円回内筋の上腕頭と尺骨神経の間を正中神経が通っています。この部が圧迫等を受けると円回内筋症候群を発症します。

選択肢3. 尺側手根隆起と橈側手根隆起の間

尺側手根隆起と橈側手根隆起の間には屈筋支帯という靭帯があります。この部には正中神経が走行しており、圧迫を受けると手根管症候群を発症します。

選択肢4. 豆状骨と有鈎骨の間

豆状骨と有鉤骨の間を尺骨神経が走行します。この部が圧迫等受けるとギヨン管症候群を発症します。
 

まとめ

本症例では、前腕にも感覚障害がみられるため、中枢側での障害と考えられます。
 

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02

この問題は、症状に基づいて神経の絞扼部位を特定することが求められています。

対象症例は、68歳の男性が環指と小指の鈎爪変形、骨間筋の萎縮、および前腕から手掌および手背の尺側に感覚障害を呈しているというものです。

 

所見からこの症例は尺骨神経領域が障害されていると予測されます。


上肢の筋肉や感覚の支配神経を適切に理解していることが正解に必要な知識となります。

選択肢1. 尺側手根屈筋の上腕頭と尺骨頭の間

尺側手根屈筋の上腕頭と尺骨頭の間での絞扼は、尺骨神経障害を引き起こす可能性があります。

尺骨神経障害では、環指と小指の鈎爪変形や骨間筋の萎縮、および感覚障害が発生することがあります。

対象症例の症状と一致するので、この選択肢が正解です。

 

選択肢2. 円回内筋の上腕頭と尺骨頭の間

円回内筋の上腕頭と尺骨頭の間での絞扼は通常、正中神経障害を引き起こします。

正中神経障害では前腕内側の感覚障害を引き起こしますが、環指と小指の鈎爪変形や骨間筋の萎縮とは一致しません。

したがって、この選択肢は不正解です。

選択肢3. 尺側手根隆起と橈側手根隆起の間

この部位は、手根管症候群に関連する部位であり、正中神経の絞扼を引き起こします。

対象症例の環指と小指の症状とは一致しません。

したがって、この選択肢も不正解です。

選択肢4. 豆状骨と有鈎骨の間

豆状骨と有鈎骨の間は、ギヨン管でここでの絞扼は尺骨神経障害を引き起こします。

この部位での絞扼は、手の尺側部分に感覚障害を引き起こし、環指と小指の鈎爪変形や骨間筋の萎縮も発生する可能性があります。
 

しかし、ギヨン菅よりも近位である前腕に感覚障害が出現することはありません。

そのため、この選択肢は不正解です。

まとめ

正解は「尺側手根屈筋の上腕頭と尺骨頭の間」です。
 


「豆状骨と有鈎骨の間」に位置するギヨン菅の絞扼でも尺骨神経障害が出現します。

しかし、基本的に神経障害の症状は絞扼部位よりも近位で出現することはありません。

・正中神経

・橈骨神経


この3つの神経絞扼部位と絞扼症状についても合わせて覚えておきましょう。

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