あん摩マッサージ指圧師の過去問
第32回(2024年)
午後 問60
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問題
あん摩マッサージ指圧師国家試験 第32回(2024年) 午後 問60 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文で示す症例について、問いに答えよ。
「35歳の男性。手足のしびれとレイノー現象がある。長く歩くと足部が痛くなるが、少し休むと軽減。下腿の静脈に圧痛や硬結、細絡がある。舌質は紫、脈は沈を認める。」
最もみられる腹診所見はどれか。
「35歳の男性。手足のしびれとレイノー現象がある。長く歩くと足部が痛くなるが、少し休むと軽減。下腿の静脈に圧痛や硬結、細絡がある。舌質は紫、脈は沈を認める。」
最もみられる腹診所見はどれか。
- 心下痞鞭
- 胸脇苦満
- 少腹急結
- 腹裏拘急
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この過去問の解説 (3件)
01
レイノー現象より血流異常を起こしている状態であり
細脈、紫の舌質、沈脈より
寒(冷え)、血が滞っている瘀血状態であることがわかります。
みぞおち辺り(心下)の不調を指します。
胃に負担がかかった状態を指します。
よって不正解です。
触診の際は指に抵抗感、患者本人はつかえる感じを訴えます。
胸脇苦満とはみぞおちの両脇部分を指し
ストレスや肝、胆に異常がある場合痛みが出ます。
よって不正解です。
少腹とは鼠径部やや上あたりを指し
血流が滞った状態(瘀血)の状態の際に痛みや抵抗感を訴えます。
よって正解です。
腹裏拘急とは腹部(主に腹直筋)が異常につっぱること
攣ったような状態のことです。
よって不正解です。
腹部の触診は
触れる場所によって患者さんの体の状態を把握することができます。
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02
舌質が紫、脈が沈といった所見から、寒が内生し瘀血が存在していると捉えられます。
心下痞鞭は、みぞおちが自覚的につかえ、他覚的にも抵抗感があるものです。脾胃の機能失調などで起こります。
胸脇苦満は、季肋下部に充満感があり、肋骨級の下に指をいれようとしても圧痛や苦しさがあり入らないものです。肝や胆の病証でみられます。
少腹急結は、下腹部に抵抗や硬結があるもので、瘀血でみられます。
なので、これが正解であると考えられます。
腹裏拘急は、腹直筋の異常なつっぱりのことで、虚労でみられます。
他に覚えるとよい腹診所見として
小腹不仁:下腹部に力がなくフワフワとしていて知覚鈍麻のあるもの
があります。
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03
35歳の男性の症例に基づき、最もみられる腹診所見を特定する問題です。
・手足のしびれ
・レイノー現象
・歩行後の足部痛
・下腿の静脈の圧痛や硬結
・細絡
・舌質の紫
・脈の沈
これらの症状から、血行障害や血瘀(けつお)が疑われます。
心下痞鞭は、心下(心臓の下)の部分に腫瘤や結節がある状態を指します。
血瘀や気滞によるものが多く、胃腸の不調やストレスなどで見られます。
この症例では、心下痞鞭はあまり関係ないと考えられます。
この選択肢は不適切です。
胸脇苦満は、胸部と側腹部(脇腹)の圧痛や張り感を示します。
肝鬱気滞や血瘀などが原因で起こることがあります。
この症例では、胸脇苦満は強い関連性はないと考えられます。
この選択肢は不適切です。
少腹急結は、下腹部の緊張や硬結を示して血瘀や冷えが原因で起こることが多いです。
今回の提示症例の症状(手足のしびれ、レイノー現象、歩行後の足部痛、下腿の静脈の圧痛や硬結、細絡、舌質の紫、脈の沈)と一致します。
この選択肢が最も適切です。
腹裏拘急は、腹部全体の緊張や硬結を指します。
通常、重大な内臓疾患や強い血瘀によって起こります。
この症例では、腹裏拘急はあまり関係ないと考えられます。
よって不適切です。
この症例で最もみられる腹診所見は「少腹急結」です。
・手足のしびれ
・レイノー現象
・下腿の静脈の圧痛や硬結
・細絡
・舌質の紫
・脈の沈
これらの症状は血瘀や冷えによるものと考えられ、下腹部の緊張や硬結がみられる少腹急結が最も関連しています。
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