あん摩マッサージ指圧師の過去問
第32回(2024年)
午後 問62

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問題

あん摩マッサージ指圧師国家試験 第32回(2024年) 午後 問62 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文で示す症例について、問いに答えよ。
「55歳の男性。2か月前から咳が続いている。明け方に喘鳴を伴う呼吸困難もある。胸部エックス線検査は正常、血中の特異的IgE抗体の上昇はない。喫煙歴はない。」

経過中に咳による筋肉痛を起こした。呼息に関わる呼吸筋を治療対象とする場合、最も適切なのはどれか。
  • 腹直筋
  • 僧帽筋
  • 腰方形筋
  • 胸鎖乳突筋

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題では、呼吸に関わる筋肉を特定する必要があります。

 

咳では努力呼気の運動が必要になります。

 

そのため、正解するには努力吸気筋と努力呼気筋を整理して覚えているかがポイントになります。

選択肢1. 腹直筋

腹直筋は、腹部に位置する主要な筋肉で努力呼息時に働きます。

 

努力呼息時に腹部を圧迫して肺から空気を押し出す役割があります。

 

強制呼気の運動である咳で筋肉痛となることがあるので正解です。

選択肢2. 僧帽筋

僧帽筋は、背中の上部に位置する筋肉で肩甲骨を動かすのに重要です。


呼気に直接関与することはありません。

 

したがって、この選択肢は不適切です。

選択肢3. 腰方形筋

腰方形筋は、腰部に位置して体幹の側屈に関与しますが、呼吸運動には直接関与しません。

 

したがって、この選択肢も不適切です。

選択肢4. 胸鎖乳突筋

胸鎖乳突筋は、首の両側に位置して主に呼吸の補助筋として機能します。

 

努力吸気時に重要な役割を果たしますが、呼気には関与しません。

 

この選択肢も不適切です。

まとめ

この問題では、努力呼気に関わる筋肉を選ぶことが求められました。

 

努力吸気と努力呼気に直接関与する筋肉は下記の通りです。

 

努力呼気で働く筋肉

・腹直筋

・外腹斜筋

・内腹斜筋

・腹横筋

・内肋間筋

 

努力吸気で働く筋肉

・胸鎖乳突筋

・斜角筋

・外肋間筋

・大胸筋

・小胸筋

・前鋸筋

・上後鋸筋

・広背筋

 

これらの筋肉と働きを正確に覚えておきましょう。

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02

呼吸運動は吸息と呼息よりなり、脳からの指令で行われます。吸息時には、横隔膜と外肋間筋が収縮します。深呼吸のときには、さらに補助吸息筋といわれる脊柱を伸ばす筋や肩を挙上する筋なども働きます。横隔膜の運動によっておこなわれる呼吸を腹式呼吸、肋間筋の運動によって行われる呼吸を胸式呼吸といいます。安静時には主に腹式呼吸が行われます。そして、呼息時には横隔膜と外肋間筋は弛緩します。積極的な呼息時には、内肋間筋や腹壁筋が収縮します。 

選択肢1. 腹直筋

腹直筋は呼気筋です。なので、これが正解であると考えられます。

選択肢2. 僧帽筋

僧帽筋は吸気筋です。

選択肢3. 腰方形筋

腰方形筋は吸気筋です。

選択肢4. 胸鎖乳突筋

胸鎖乳突筋は吸気筋です。
 

まとめ

肋間筋は肋間神経の活動が高まることにより、横隔膜は横隔神経の活動が高まることにより収縮します。
 

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