あん摩マッサージ指圧師 過去問
第33回(2025年)
問80 (午前 問80)
問題文
「80歳の男性。毎日40本の喫煙を60年続けている。咳、痰、労作時の息切れを訴えている。胸部エックス線検査では胸水や腫瘤陰影は認めない。」
感冒に罹患後、熱はないが呼吸困難が悪化した。また、経皮酸素飽和度の低下を認めた。最も有効な対応はどれか。
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問題
あん摩マッサージ指圧師試験 第33回(2025年) 問80(午前 問80) (訂正依頼・報告はこちら)
「80歳の男性。毎日40本の喫煙を60年続けている。咳、痰、労作時の息切れを訴えている。胸部エックス線検査では胸水や腫瘤陰影は認めない。」
感冒に罹患後、熱はないが呼吸困難が悪化した。また、経皮酸素飽和度の低下を認めた。最も有効な対応はどれか。
- 経過観察する。
- 消炎鎮痛薬を投与する。
- 副腎皮質ステロイド薬を投与する。
- 気管挿管を行う。
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この過去問の解説 (2件)
01
副腎皮質ステロイド薬を投与する のが最も有効です。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)がかぜをきっかけに息苦しさを急に悪化させた状態を「急性増悪」と呼びます。
短期間の全身性ステロイドは炎症をしずめ、呼吸機能の回復を早める標準治療です。
増悪を放置すると低酸素が進み、入院や人工呼吸が必要になる危険があります。
何もしない選択は適切ではありません。
解熱や痛み止めは熱や胸痛を抑えるだけで、気道の炎症や気流制限は改善しません。COPD増悪の中心治療にはなりません。
急性増悪では気道が強く炎症を起こし、痰も増えます。
5〜7日程度の経口または点滴ステロイドは炎症を早く抑え、息切れの回復と入院期間短縮に効果があると確立されています。最優先の対応です。
意識低下や二酸化炭素の上昇が著しいときは必要ですが、熱がなく自力呼吸は保たれている段階でいきなり挿管するのは過剰です。
COPD患者がかぜ後に息切れと酸素低下を来したら急性増悪を疑い、短期ステロイド投与が第一選択です。
必要に応じて吸入β2刺激薬や抗菌薬、酸素投与を追加し、重症化を防ぎます。
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02
感冒とはウイルス等に感染し、のどや鼻の粘液が炎症を起こすことです。
風邪の一種です。
慢性閉塞性肺疾患の患者様には度々見られ、症状が憎悪します。
増悪した場合、治療方針を変更しなければなりません。
よって経過観察は選択されず、✕となります。
消炎鎮痛薬とはケガや傷などから
体内で引き起こされた炎症に処方・服薬するもので
ウイルスなどの感染症には適応されません。
よって✕です。
副腎皮質ステロイド薬とは
アレルギーや呼吸器疾患に処方され
抗炎症作用や抗免疫抑制作用をもつ薬です。
よって〇です。
気管挿管は呼吸不全や停止、気道閉塞に適応するもので
自力での呼吸が難しく
即座に酸素を入れなければ生命活動に問題が生じる場合に実施されます。
設問の場合、呼吸困難ではありますが
停止・不全・閉塞は起きていないため、自力での呼吸が可能であることがわかります。
よって✕です。
喫煙歴がある方が多く罹患する慢性閉塞性肺疾患は
いったん憎悪すると肺機能が著しく低下し、回復までに長期を要することも考えられます。
そのため、増悪させないことはもちろんのこと
早期の治療と対応を要することを覚えておきましょう。
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