二級ボイラー技士の過去問
平成27年4月公表
燃料及び燃焼に関する知識 問23

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問題

二級ボイラー技士試験 平成27年4月公表 燃料及び燃焼に関する知識 問23 (訂正依頼・報告はこちら)

ボイラーにおける石炭燃焼と比較した重油燃焼の特徴として、誤っているものは次のうちどれか。
  • 少ない過剰空気で、完全燃焼させることが出来る。
  • ボイラーの負荷変動に対して、応答性が優れている。
  • 燃焼温度が高いため、ボイラーの局部過熱及び炉壁の損傷を起こしやすい。
  • 油の漏れ込み、点火操作などに注意しないと炉内ガス爆発を起こすおそれがある。
  • すす及びダストの発生が多い。

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この過去問の解説 (3件)

01

1. 正しいです。石炭は石炭化による燃料の固体化により、燃焼効率が低下します。液体である重油と比べ、固体である石炭の燃焼効率は低いです。

2. 正しいです。重油燃料はその燃焼効率の高さなどの性能から、ボイラーの負荷変動に対しても、応答性が優れています。

3. 正しいです。重油の燃焼温度は石炭の燃焼温度と比較して高いため、過熱によりボイラー局部および炉壁が損傷しやすいです。

4. 正しいです。重油は液体であるため、漏れや引火に十分に注意しなければ、炉内ガス爆発を起こす恐れがあり、危険です。

5. 誤っています。液体燃料である重油に比べ、固体燃料である石炭の方がすす、ダストが多く発生します。

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02

設問は、ボイラーにおける石炭燃焼と比較した重油燃焼について問われています。

以下に、各選択肢について説明します。

選択肢1. 少ない過剰空気で、完全燃焼させることが出来る。

重油は石炭比べて細かく噴霧することができるため、燃焼の接触面積がその分広くとれます。
そのため、重油による燃焼では石炭のそれよりも少ない過剰空気で、完全燃焼させることができます。

選択肢2. ボイラーの負荷変動に対して、応答性が優れている。

重油は流動性があり、燃焼時間も短いため、負荷変動に対しては流量を下げるだけで対応できます。
石炭による燃焼だと、例えばストーカ炉によるものであれば、たとえストーカのスピードを下げたとしても、ストーカ上に残る燃料はまだ燃焼の最中であるため、重油ほど負荷変動に対する応答性が柔軟ではありません。

選択肢3. 燃焼温度が高いため、ボイラーの局部過熱及び炉壁の損傷を起こしやすい。

重油は石炭に比べて単位質量あたりの熱量(MJ/kg)が高いです。
そのため燃焼温度も高くなり、局部過熱を起こしやすく、最もバーナに近い炉壁が損傷を起こすこともあります。

選択肢4. 油の漏れ込み、点火操作などに注意しないと炉内ガス爆発を起こすおそれがある。

重油は石炭に比べて引火しやすく、炉内に未燃ガスが残っていることは大変危険です。
ですので、油の漏れ込みや点火操作など、未燃ガスが発生しやすい状況は、炉内でガス爆発を起こすおそれがあります。

選択肢5. すす及びダストの発生が多い。

重油は石炭に比べて灰分が少ないため、石炭と比べるとすすやダストは少ないです。

まとめ

以上の説明により、選択肢「すす及びダストの発生が多い。」が誤っていることがわかります。

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03

誤っているものは「すす及びダストの発生が多い。」です。

選択肢1. 少ない過剰空気で、完全燃焼させることが出来る。

正しいです。過剰空気とは、実際空気量と理論空気量の差分です。

選択肢2. ボイラーの負荷変動に対して、応答性が優れている。

正しいです。重油は発熱量が高く、燃焼操作がしやすい為、ボイラーの負荷変動に対応します。

選択肢3. 燃焼温度が高いため、ボイラーの局部過熱及び炉壁の損傷を起こしやすい。

正しいです。

選択肢4. 油の漏れ込み、点火操作などに注意しないと炉内ガス爆発を起こすおそれがある。

正しいです。液体燃料の方が固体燃料より反応性が高いので、爆発の危険性があります。

選択肢5. すす及びダストの発生が多い。

誤っています。液体燃料の方が固体燃料より、炭素量が少ない為、すす、ダストの発生量が少ないです。

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